ままぱれ

学校では教えてくれない「いのち」の話をしよう。

いざ子どもに聞かれた時にどう話す?学校では教えてくれない「いのち」の話をしよう。
頑張らなくても すぐ効果が出る 節約術で暮らしに ゆとりと安心を

「子どもの性教育」は、ままぱれ編集員のほぼ全員が興味・関心があるテーマ。
お子さんに健やかに育ってもらうためにも、そして様々な性犯罪に巻き込まれないためにも、きちんと話しておきたいことなのに、いざとなるとなかなか難しい。
そこで、編集員自らアポイントをとり、小学校の時から性教育を習うデンマーク出身の方と、誕生学アドバイザーの方にお話を伺いました。

今回オンライン講座に参加した編集員…
伊東祐希さん、梅田裕美さん、岡本美香さん、佐藤寛子さん、津田由美さん、宮腰聡子さん、山本史美子さん


講師ルイース・ソレンセンさん
通訳小泉紀子さん

小さい頃から学校で学ぶ実践的なデンマークの教育

 まず重要なのは「性に関する教育(sex education)」と「セクシャリティに関する教育(sexual education)」は異なり、大切なのは後者です。デンマークでは小学校の時は生物学的な側面から学んでいきます。子どもが生まれる過程を学ぶのですが、鳥や動物ではなく、人間の子どもがどこから生まれてくるかなどを具体的な絵を使って学びます。中学では生物学的なことだけでなく、感情的な部分も加わります。自分がティーンエージャーになったらどんな感情を持つのか、世の中がおかしく、親も愚かだと感じることもあるかもしれない、などですね。

 デンマークではとても実践的な方法を取り入れていて、中学生になると全生徒がエイズ・クリニックに行き、模型を使って避妊具の付け方などを学びます。そうすることでセックスはタブーではないという認識を持ってもらい、同時に危険性についても話します。例えばセックスをした場合、妊娠するだけでなく病気にかかるかもしれないことも話します。そういったことを防ぐためにも、実践的な取り組みがなされているのだと思います。デンマークで性に関することがオープンになったのは1970年代からなので、祖父母の時代は違いました。

 私の家族はとてもオープンで、性に限らず政治などについても何でも話し合う家族です。ですから10代になるとどんな感情になるかなども、親と話してきました。私は、こういった話は学校だけに任せずに、幼い頃からするのが大事だと思っています。純粋な興味から「赤ちゃんはどこから来るの?」という話をしている時に、両親がわかりやすくオープンに話してあげることで、それは自然なことなのだと受け止められると思います。そしてもう少し年齢が上がったら、避妊など責任を持ったセックスなら大丈夫と教えられました。

 ピースボートのオンラインイベントの時のビデオでも流れましたし、私の両親も話してくれたことですが、セックスには「はい」「いいえ」の選択があるということです。子どもたちはかっこいいからとか、友だちからのプレッシャーでセックスをしてしまうことがあるかもしれません。ですが、嫌なことは嫌と言う権利があるということがとても重要だと思います。選択肢は自分にあるということを、きちんと伝えることが大切ですね。

Yes_No

性教育をする時の10の落とし穴

❶そんなことは知らなくていい!と怒る。
 小さい子は単なる好奇心で聞いている場合が多いですが、高学年だとSOSの場合もあります。
❷コウノトリが運んできた説や、橋の下から拾ってきたという嘘は良くない。
❸男の子に性教育不要説(割と根強い悪習)
 精通のことを親からも学校からも何も教えられず、自分が病気かもしれないと思った子もいます。
❹パパに丸投げ、危険!
 パパはママ以上に性教育を学んできていません。AVの知識など要注意!
❺そのうち勝手に覚えるでしょう?
 スマホやネットの普及で情報量が増えているので、その危機管理が大事です。
❻うちは性に関してオープンだから大丈夫
 オープンにしてハードルを低くするのも、実は危険です。
❼男の子は性被害に遭わない
 実際には遭っていますが、恥ずかしかったり人に言えなかったりして被害届が出ていないだけです。
❽また今度はない!チャンスは1度きり
 お子さんのほうから何か聞かれた時こそチャンスです。
❾脱!正論ニスト(世の中はグレー!白黒つけないで)
 性の話はグレーな部分がとても多いので、きちんとお子さんと話す時間を持ってください。
➓ネットの情報を疑え!
 未だに驚愕の避妊法などがはびこっています。


人のいのちに優しい世の中に
講師ひらみゆうこさん

人のいのちに優しい世の中に

 私は31歳で初めての妊娠、32歳で出産しました。
当時芸能界のマネージャー業務に就いていたのですが、あまりにもつわりがひどすぎて、仕事を続ける自信がなくて辞めてしまいました。
その時に妊娠や出産について何も知らないことに気づき、少しでも自分の体を理解しようと思って勉強したのですが、こんなに大事なことを31歳になるまで知らなかったことにショックを受け、子どもたちの世代にはいのちの知識を得られる機会を作ってほしいと思ったことが、誕生学アドバイザーとして子どもたちに性の話をするきっかけでした。2012年に仙台に移り住んでからも、小中学校、高校、児童館、サロンなどで講座を開いています。
私の目指すところは、性やいのちの話、自分の誕生の話を知ることで、子どもたちは自己肯定感が増えていくので、そういった自己肯定感を持つ幸せな大人を増やし、いのちに優しい世の中に変えていくことです。

生まれてきたことを前向きに捉えられると、自己肯定感が高まる

 親御さんがお子さんに性のことについて話そうと思った時に、一番プレッシャーに思うのは、セックスについて話さなければいけないのではないかと思うことです。子どもたちは別に、性行為のことを聞きたいわけではありません。私の講座では、学校で学ぶ体の仕組みや生理などの点の情報を線で繋ぐ、いのちの物語として子どもたちに伝えています。

 中学校での講座が多いのですが、誕生学の話を聞いてもらった後に、実際に赤ちゃんを抱っこする時間を設けています。
子どもたちは赤ちゃんを抱っこしながら、いろいろな質問を私や赤ちゃんのお母さんに投げかけてきます。そして「親にどういうふうに聞いていいかわからなかった」と言うんです。子どもたちは自分がどう生まれてきて、育つ時にどんなことがあったのかを知りたいのだろうと思います。
生まれてきたことを前向きに捉えられることが、いのちの話、性の話をする土台になります。
いろいろなご家庭があると思いますが、真実を述べることだけが正しいことではなく、お子さんが「生まれて来て良かった。自分はすごくみんなを喜ばせたんだ」と思うことが大事です。生まれてきたことが嬉しくなると、自己肯定感が高まります。
そうすると

  1.  トラブルを抱えても解決に向かって対処できる心が育つ。
  2.  自分や自分の性に対して肯定的に捉えられる。
  3.  自分だけでなく相手を尊重できる。 

ようになります。

ベビー

自分を守れる知識としての性教育

 次に大事なのはプライベートゾーンの話です。
プライベートゾーンは「口」と「水着で隠れる部分」で、それは自分だけの大事な場所なので、勝手に触れてはいけないし、見せてはいけないということを伝えてください。そうすることで性被害に遭いにくくなりますし、遭った時におかしいと認識してSOSができる、自分やお友だちを守る第一歩になります。その大切な、たった一つのいのちは男女それぞれの性からしか繋がらないという話になって、ここで初めて「性」という言葉が出てきます。
「性」という字は心が生きると書きます。小学校5~6年生になるとちょっと嫌らしいとか、こっそり話すことという認識が芽生えてくると思いますが、それだけではなくて「あなたらしさ」という意味のある、心が生きるようなお話だということを、子どもたちに知ってほしいと思っています。

 また、性やいのちについて心配なことがあったら、信頼できる大人に相談してねと伝えてください。何か起きたあとでもひとりじゃない、味方になるよという声がけがとても大事だと思います。コロナ禍のなかで中高生の望まない妊娠が増えているというニュースもあります。
様々な事情があって、夕飯をひとりで食べるお子さんがいらっしゃると思いますが、そのさみしさを埋め合わせるために抱きしめてくれる人を求めるということも、男女問わず生物学的にあると言われています。親でなくても、声がけひとつでその子の人生が変わることもあるので、もしそういう子が近くにいたら、ぜひ勇気を出して声をかけてみてください。

何をお子さんに伝えたいか、自分自身と向き合うことも大切

 ルイースさんのお話にも出てきましたが、イエス・ノーを自分で決めるセクシャルコンセント(性に関する同意)も重要です。
大人の女性でもそういった意識が抜けている人がいるかと思いますが、女性が受け身になり過ぎたり、我慢して合わせるという考えはお互いを不幸にします。女性にとって妊娠・出産は人生を左右する問題です。目先のことだけでなく、将来に向けてもっと大きな視野を持つこと、対等な立場で対等な選択をするという意識を持つということをWHOが「リプロダクティブヘルス&ライツ」ということで提唱しています。

 性を語ることは、自分自身とも向き合わなければならないので、とても勇気がいることです。だからこそ、どういう性をお子さんに伝えることがベストなのか、ご自身の考え方と向き合ってほしいなと思います。

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