SDGsから学ぶこれからの暮らしや生き方
ママたちの行動が世界を変えていく?
新型コロナウイルスの問題で、密閉・密集・密接(+激論!)になる編集員ミーティングを通常通り開催できず、ままぱ☀れぽーと初!
講師のかたとままぱれ編集員の皆さんのご自宅を繋いでのWebミーティングとなりました。今回のテーマはSDGs(エスディージーズ)。
会社や男性たちが女性目線を気にする昨今、ママや女性たちが関心を持つことがSDGsの取り組み成功の鍵になるのでは?
ということで、一般社団法人SDGsとうほく アドバイザーである川出裕佳さんにお話を伺いました。
岡本 美香さん、小泉 理惠さん、武山 理恵さん
株式会社キャリアアシスト
キャリアコンサルタント
川出 裕佳さん
株式会社キャリアアシストでキャリアコンサルタントをしながら、2年前に一般社団法人SDGsとうほくの立ち上げから関わり、アドバイザーとして活動しています。
「FRaU」という雑誌がありますが、2019年1月号は丸ごと1冊SDGsでした。こういった雑誌に取り上げられるほどSDGsの推進力に女性は欠かせないので、楽しく取り組んでいけるよう理解を深めていただければと思います。
SDGsって何?
今年度から小学校の授業にも取り上げられるようです。
お子さんの手前、「SDGs知らない」とは言えなくなりますよ!
SDGsは“Sustainable Development Goals”の頭文字で、意味は「持続可能な開発目標」。2015年9月の国連総会で採択され、世界が一致団結して進めていきましょうというもので、2030年がゴールです。達成すべき17の目標を掲げており、「誰も置き去りにしない」がスローガンになっています。
SDGsは5つのPのカテゴリーに整理されます。
- 人間(People)
目標123456
あらゆる形態と次元の貧困と飢餓に終止符を打つとともに、すべての人間が尊厳を持ち、平等に、かつ健全な環境の下でその潜在能力を発揮できるようにする。 - 豊かさ(Prosperity)
目標7891011
すべての人間が豊かで充実した生活を送れるようにするとともに、自然と調和した経済、社会および技術の進展を確保する。 - 地球(Planet)
目標1213141516
持続可能な消費と生産、天然資源の持続可能な管理、気候変動への緊急な対応などを通じ、地球を劣化から守ることにより、現在と将来の世代のニーズを充足できるようにする。 - 平和(Peace)
目標16
恐怖と暴力のない平和で公正かつ包摂的な社会を育てる。平和なくして持続可能な開発は達成できず、持続可能な開発なくして平和は実現しないため。 - パートナーシップ(Partnership)
目標17
グローバルな連帯の精神に基づき、最貧層と最弱者層のニーズを特に重視しながら、すべての国、すべてのステークホルダー、すべての人々の参加により、持続可能な開発に向けたグローバル・パートナーシップをさらに活性化し、このアジェンダの実施に必要な手段を動員する。
人間(People)の貧困や飢餓は、発展途上国の目標と思われがちですが、生活保護など先進国でも問題になっています。教育や福祉が受けられなかったり、健康に問題があるなど、様々なことが絡み合って問題が起きています。地球(Planet)は主に環境問題で、プラゴミ問題なども毎日のように言われていますが、どういう商品を選ぶか、私たちの選択も関わってきます。平和(Peace)では今の状況がそれに近く、ウイルスそのものの怖さもありますが、人々の分断が起きていることを皆さんも感じていると思います。この平和とパートナーシップが土台にないと、SDGsの1~15番には取り組めないのではないでしょうか。
SDGsは地球全体で、どうすれば人々が幸せに生きていけるかという「人権」の話でもあります。
もうひとつSDGsのメリットとして、物事を見る視点が増えます。今は子どもたちのほうがSDGsを知っています。環境問題活動で有名なグレタ・トゥーンベリさんは10代の少女ですが、10年後には大人になっています。私たち大人以上に当事者意識が強くなるのは自然なことなのかもしれません。今年から小学校の教科書にもSDGsが取り上げられるので、大人もきちんとSDGsを知り、お子さんと話ができればいいですね。
出典:国際連合広報局
現役ママの編集員たちが気になったのは…?
川出:17個の目標のなかで、自分の関心や興味のあるものを教えてください。
岡本:気になるものはたくさんありますが、自分の会社で取り組んでいるので8番の「働きがい」ですね。
小泉:私は16番の「平和」です。コロナの騒動が過ぎると、あちこちで争いが起こるのではないかと危惧しています。
武山:4番の「質の高い教育」です。やはりコロナのせいで休校になり、どうやって質の担保された教育を子どもたちに提供するのか気になっています。
川出:では今度は、ご自分が気になる目標で、具体的に何ができるかを考えてください。最初に紹介した「FRaU」に「今日からできる100」のことが載っています。「賞味期限切れを出さないように、こまめに冷蔵庫を整理する」とか「ジムに通うよりも歩いて通勤する」など、本当に私たちが普段やっていることなんです。
私たちは買い物に行くと、賞味期限の長いものを選ぼうとしますが、みやぎ生協では「賞味期限が早いものを買うことも、SDGsの行動です」というポップを売場に出したところ、ちょっといいことができるということで、賞味期限が早いものを選ぶ人が増えたそうです。小さいことかもしれませんが、一人ひとりがそれをやることで、SDGsの推進力は大きなものになっていきます。
武山:私は不登校の支援をしているので、それを続けていくこと。また4月から子ども食堂兼居場所のようなものを始めました。また「教育」ではないですが、ケミカルな洗剤ではなく石鹸を使っています。洗濯では重曹と過炭酸ナトリウムの粉石鹸です。
川出:子ども食堂兼居場所はお子さんだけでなく大人の居場所にもなりますから、教育だけでなく17番のパートナーシップにも当てはまります。洗剤は環境面はもちろん3番の健康と福祉、それに9番でもあります。そういった商品を選ぶ人が増えれば、企業がそれに関心を持ちイノベーションが起きたり、新しい商品が生まれるかもしれません。
小泉:国と国とのケンカは私の力ではどうしようもないので、人と仲良くすること。子どもたちもお友だちやクラスでいじめや差別をしないという、身近なところからですね。これはパートナーシップでもあるかもしれません。レジ袋や食べ残しを減らすことも心掛けています。食料は必要な分だけしか買わないので、冷蔵庫は空きが多いです。
川出:16、17番を実現させるためにはお互いを理解しなければならないので、対話やコミュニケーションだけではなく、自己理解を深めたり自分と向き合うことが、これまで以上に必要になってくると感じています。冷蔵庫に物を詰め込み過ぎるとエネルギーの消費になるので、空けておくことは大事です。私たちの側にも食品を選んで使い切る責任があります。
岡本:「平和」に繋がるのかもしれませんが、子どもたちには相手の立場に立って考えることや、相手にかける言葉を選ぶよう教えています。また募金をすることで、他人に対する意識を子どものうちから持ってほしいと思っています。私自身は人材派遣の仕事をしているので、8番の「働きがいも経済成長も」ということで、社会貢献したいママたちの働きがいを、きちんと収入になるよう考えていきたいと思います。
川出:募金はその行為だけでなく、その背景にあることや、自分以外の周囲のこと、地球全体が繋がっているということを意識するうえで大切だと思います。言葉を選んで使うことは、大人もしっかりしなければならないですね。今私たちが置かれている状況では特に、余裕がなくなってくると意識できない人も増えてきますので。
皆さん視点と関心のある項目は違いましたが、お母さんということもあるからか、根底にあるのは教育ではないかと感じました。自分自身、お母さん、スーパーに行けば消費者など、私たちはいろいろな役割を担って生きています。どういう選択をするかは一人ひとり違ってきますが、辛いことや真面目なことばかりだと続きませんので、楽しいことやわくわくすることを見つけて、2030年のゴールに向けてみんなでSDGsをやっていくことが大事なのかなと思います。
「正解がない」「第三者から評価しもらわないと不安だ」と仰る方もいらっしゃいますが、そこがこれまでと大きく違うところです。SDGsは個人それぞれがどうしていくか、生き方に深く関わってきます。自分と向き合い、他人と繋がる物差しににSDGsをヒントにしたり、お子さんとの会話のきっかけにしていただければと思います。
SDGsについての動画はこちら→持続可能な開発とは?
Webミーティングを終えて、編集員たちはどう思いましたか?
<Webミーティングについて>
●オンライン通信は普段は仕事での会議に使っています。最近はママ友とのオンラインお茶会、オンライン飲み会にも使ってました。
●見せていただいた動画の音が聞こえなかったのが残念ですが、先生のお話を聞くプチセミナーだったので、十分理解できました。
●ままぱれでは初のWebミーティングでしたが、何の問題もなくスムーズに参加できました。今のこの状況下ならこの形で良いと思います。
<SDGsについて>
●今までSDGsという言葉を聞いたことはありましたが内容は全く分かりませんでした。今回の講座でとても身近なものだと知ることができてよかったです。
●サスティナブルな世界を子どもたちに残すために、自分にできることをママパパで考えなければならないと思いました。子どもたちの方が正しい答えをズバっと言うものですよね。