ままぱれ

外国語でコミュニケーション。

お互いを「知りたい、伝えたい」がつなぐクラスの輪

外国語でコミュニケーション。お互いを「知りたい、伝えたい」がつなぐクラスの輪

「あ、『しんどい』って方言ですか?」
— 先生が話してくださった、去年まで関わってきた関西の子どもたちとの会話はとても和やか。
子どもたちからたくさん教えられ育ててもらったから、その経験を宮教大で学生さんたちに還元していきたいと張り切っています。

Q. この4月に仙台に来られたばかりですね。

 4月でも寒かったです。冬は2~3℃が普通と聞いて、生きていけないのではないかと思っています(笑)。外国語教育はもちろん学校教育に携わりたいという思いがあり、ご縁があってこちらに来ました。授業では1年生の一般教養の英語や小学校教員免許取得に必要な外国語の教科内容と指導法、そして英語コミュニケーションコース1年生対象の外国語活動・外国語科の授業づくりなどを担当しています。
 自分の研究としては、小学校での英語音声指導に興味があります。先生方の実際の指導方法と、その背景にある考え方や価値観がどのようなもので、授業経験を重ねるうちに、これらがどのように変わっていくのか。これらのことについて、継続的に授業を観察したり先生と授業の振り返りをしながらお話を伺ったりしています。

Q. ご出身の大学がICUですが、やっぱり英語が好きだったのですか?

 いいえ(きっぱり)。小学校卒業前に通い始めた学習塾の英語の授業が、とても厳しかったんです。そのおかげで中学校の授業は苦にならなかったのですが、高校の授業は内容や教材がとても難しかったので、英語ではずっとしんどい思いをしていました。
 それでもICUに進学したのは、小学校の時の経験がきっかけです。委員会活動でユニセフ募金を行った際に、様々な国の事情について調べる中で、「教育は人の暮らしを豊かにする可能性を持っている」と思うようになりました。そして、教育学の分野で国際理解や国際協力について学ぶために、ICUを選びました。
 当時最も関心のあった授業の一つで、ある時阪神・淡路大震災の話題が出たことがありました。授業は非常に和やかな雰囲気でしたが、小学校3年生の時に「1月17日」を経験した私の思いとの隔たりはあまりにも大きく、当時の私には受け入れられるものではありませんでした。ただ、この「わかり合えない」経験と、理解や共感ができないことも含めて、そのままの私の思いと真摯に向き合ってくれた友人や大学教職員の方々の存在があったから、今があります。

Q. 阪神・淡路大震災のことをお聞きしてもよろしいですか?

 家族や自宅は無事でしたが、幼馴染や同級生が亡くなりました。当時のことは、今でも鮮明に覚えています。
 でも、教育実習生や小学校教員だった時、自分の経験を子どもたちに伝えることはできませんでした。なぜ自分が、誰のために伝えるべきなのか、気持ちがうまく整理できなかったのです。家族と震災に関わる話ができるようになったのも、ここ数年のことです。ただ、それは私がずっと自分の辛さでいっぱいいっぱいだったからです。当時教員で、我が子よりも優先しなければならない人やものがあった父や母、兄妹二人で父の実家に疎開している間もずっと普段通り私に接した兄、それぞれの思いは私にはわかりません。でも、それぞれの「1月17日」があることに、今は心を向けることができます。これも、「わかり合えない」経験があったからこそだと思います。
 清原果耶さんが好きで、今回初めてNHKの朝ドラ『おかえりモネ』を見ています。場面によってはまだ見る自信がありませんが、このドラマをきっかけに、「わかり合えない」こととまた向き合えたらと思っています。

Q. 小学校でも3年生から外国語の授業が始まっています。どんなことに取り組んでいるのでしょうか。

 3、4年生は音声中心の活動を通して、自分の気持ちや考えを伝え合い、お互いを受けとめます。そして、5、6年生、中学校へと進むにしたがって、学習した様々な表現を何度も繰り返し使いながら、少しずつ話題や語彙・表現が広がっていく中で、外国語が使えるという実感を高めていきます。
 去年入っていた小学校4年生の授業では、「担任の先生はクリスマスに何が欲しいと思う?」と外国語専科の先生が聞いたところ、「先生は私たちのことが大好きだから、私たちの笑顔だと思う」という答えが返ってきました。また、学校のお気に入りの場所を紹介する活動でも、「みんなのことが大好きだから」と教室を挙げる子どもが多かったんです。子どもたちには担任の先生から自分たちが大事にされているという実感があり、子ども同士もお互いを大事に思っていることが、外国語の授業でも伝わってきたことが印象的でした。小学校の先生方が学級づくりや普段の様々な授業で大切にされていることが、外国語活動にもこうして表れているのだと感じました。

Q. これからやってみたいことは?

 兵庫にいる、小学校1年生の姪と2歳になる甥の成長が楽しみですね。姪は英語が大好きで、これまでは英語で絵本を読んだり一緒に歌を歌ったりしていました。最近は毎回「今日の英語は?」と聞いてくるので、彼女がその時に知りたい英単語を教えています。先日は、姪が「シロクマは“white bear”でしょ」と言ったんです。後で兄嫁が聞いたところ、「bearは熊でしょ。で、白はwhite。だからシロクマはwhite bear!」と。持っている知識を総動員してことばを生み出す姿に、涙が出るくらい感動しました。ことばを通して姪や甥の世界が広がっていくのを、これからも見守っていきたいです。

Q. ままぱれ読者にアドバイスをお願いします。

 やっぱり、楽しいのが一番じゃないでしょうか。兄夫婦は、いつも子どもと全力で遊ぶんです。『おかあさんといっしょ』の「ブンバ・ボーン」もノリノリですし、「今日の英語」も子に負けじと発音し、私が褒めれば満面の笑顔で喜びます。休日はお出かけの車内で、また家では兄のギターや兄嫁のピアノに合わせて、家族みんなで洋楽を歌っています。そうやって一緒に楽しむ人がいることが、一番大切なんだろうなと思います。

担任の先生から自分たちが大事にされているという実感があり、子ども同士もお互いを大事に思っていることが、外国語の授業でも伝わってきたことが印象的でした。

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