ままぱれ

【ルルブル】教えて川島先生!

ルルブル 教えて川島先生!

「ルルブル」は、
「しっかり寝ル・きちんと食べル・よく遊ブで健やかに伸びル」

よう、子どもたちの健やかな成長を願う合言葉。そのルルブルを監修され、「脳トレ」で有名な川島先生に、脳科学の立場からのルルブルの大切さや実践するコツをうかがいました。

Q.1 子どもたちの基本的生活習慣と生育の関係を、脳科学の観点から教えてください。

 私たちはMRIを使って脳の働きを計測し、エビデンス(根拠)をもち基本的生活習慣「ルルブル」の大切さを伝えています。朝ごはんはおかずもきちんと食べましょう。でないと、午前中は脳が上手く働かず、食べている子どもたちと学力に大きな差がでます。
また睡眠時間も大切です。睡眠が短いと脳の発達が遅くなり、学力が低くなる傾向にあります。夜更かしせず、朝ごはんをしっかり食べるためにも早起きしましょう。そしてよく遊ぶことの重要性は体力の面だけでなく、子どもたちの社会性や「自分は頑張れるんだ」という前向きな気持ちを育みます。ゲームではなく、外で友だちと一緒に遊ぶことがとても大切です。

ルルブル

しっかり寝

夜は決まった時間に寝るようにしよう!
毎日、早寝・早起きを心がけよう!

きちんと食べ

毎日、朝ごはんを食べよう!
お米やパンだけでなく
きちんと「おかず」も食べよう!

よく遊

外で元気に体を動かして遊ぼう!
自然や人とふれ合って体験しよう!
下矢印

健やかに伸び

Q.2 子どもがスマホや動画ばかり見て困るという相談が多数寄せられています。スマホや動画の見過ぎは、子どもへの影響はありますか?

 文部科学省からは、スマートフォンの使用時間が長い子どもたちは学力が低い傾向にあるとデータ解析結果が出ています。私たちの研究で3年間の子どもたちの脳の働きを調べた結果、使用時間が長いと子どもたちの脳の発達が多くの領域で止まるとわかりました。つまり、子どもたちのすべての能力が伸び悩むということです。これは中学2年生の体に小学5年生の脳が入っている状態と例えられるくらい、危ない状態です。
 生物学的な理由はまだ不明ですが、心理学者たちの観察によると、使用中に様々な情報がプッシュ型で割り込んできて「気が散る」ためだと指摘されています。これが原因で、うつ状態や読解力が極端に落ちるなどという現象は、パソコンが出た当時から言われており、それがさらにスマホ・タブレットで顕著になったと言われています。大人でも何かに集中できる時間が短くなり、酷い人だと10秒程度しか集中できない例もあります。

Q.3 「メッセージや情報を見なければ」という強迫観念も関係ありますか?

 そうですね。家族が食事中にそれぞれスマホを見ていたり、子どもと外出しても、親が子どもではなくスマホを見ている異常性に気づいてほしいと思います。

日本小児科医会がずっと警告していますが、幼少期に「スマホ子育て」をすると、親子の愛着関係は作れません。スマホなどを使わずに意識して親子の時間を持つことがとても大切です。


Q.4 「ルルブル」以外に子どもの脳を育むいい方法は?

 幼少期は読み聞かせしていただきたいです。読み聞かせは親子のコミュニケーションにも愛着形成にもなり、将来の対人関係を築く力に繋がります。小中学生のお子さんたちにもやはり読書。読書は脳をより発達させ、様々な能力が伸びるとわかっています。特にクリエイティビティ(新しいことを発想する力)を得やすいので、これからの混とんとした社会を生きていくためにも、読書をすべきだというのが脳科学からの結論です。

Q.5 「ルルブル」を実践するためのヒントをいただけますか?

 一番大事なことは、ルルブルをすべてきちんと、毎日こなそうと思わないことです。
忙しい朝に真面目にごはんを作ろうと考えるから苦しくなる。休日にまとめて作り冷凍しておくなど、少し発想を転換して上手に手を抜くだけで、とても楽になると思います。

お友だちと外遊びをする機会が少なければ、月に1〜2日でもいいので家族みんなで外に出かけましょう。お弁当だけ持って野原に行けば、何もないところでも子どもたちは創造的に遊びます。

 何もしなくても忙しく感じる時代を、私たちは生きています。その中で子育てで絶対に行わなければならないのが「ルルブル」です。忙しい時は無理せず工夫し、子どもたちの未来のためにも「ルルブル」を実践していきましょう。

5人のお孫さんがいるという川島先生。クリスマスやお誕生日には、年長さんと年中さんには自分で読むための文字の多い絵本、下の子たちには読み聞かせするような絵本をプレゼントしているとか。子育てに孫育て。パパとママだけで大変なら、みんなで子どもたちを見守ったり、お手伝いしながら、ルルブルしていきましょう。

川島 隆太先生
東北大学
加齢医学研究所 所長
みやぎっ子ルルブル推進会議 顧問
川島 隆太 先生
東北大学医学部卒業、同大学大学院医学研究科修了。医学博士。現在、東北大学加齢医学研究所所長、東北大学スマート・エイジング学際重点研究センターセンター長などを務める。

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