ままぱれ

身近な歴史の痕跡に触れ、自分と繋がる面白さを学ぼう。

身近な歴史の痕跡に触れ、自分と繋がる面白さを学ぼう。

大河ドラマを見ながら、SNSで「#その時政宗は」と呟く友人がいます。
特定の歴史上の人物を中心に見てみると、当時の東北の姿が見えてきます。
東北の歴史が教科書に出てくることはあまりありませんが、当時この土地ではどんな暮らしだったのか、うちのご先祖様は何をしていたのか、気になりませんか?


1 大学ではどんなことを教えているのですか?

 仙台・宮城、そして東北にスポットを当て、地域の歴史を中心に教えています。学生たちは中学・高校では教科書に書かれた中央政権中心の歴史しか習わないまま大学に入ってきますし、歴史の勉強は暗記科目というイメージを非常に強く持っています。そのためか、「歴史の勉強は自分たちとは関係ない」、「歴史を勉強して何になるんだ」などと思われがちです。しかし、いざ宮城教育大学を卒業して小学校の先生になると、社会科の授業は身の周りの地域の変遷から始まることが多いんです。
 歴史を勉強するということは、過去に何が起きたのかを学んで知り、今を見るということです。過去の日本の様子を知ることで、自分たちがどういう時代に生きているのかを相対的に知ることができます。そうして、これからの社会をより良くしていくための「気づき」が生まれます。歴史の勉強に自分たちに身近な地域教材を持ち出せば、他人事と化していた歴史が一気に自分事となり、その面白さに目覚めます。そんな地域教材を扱える先生になってもらうために、大学では学生たちに地域の歴史を教えています。


2 先生の研究について教えてください。

 江戸時代の身分格式、人名、行列などを研究しています。現代でも何らかの集まりでは、上下関係によって席の並びが決まっていますが、これは昔からそうで、身分の上下などを所作やポジションで表していました。私は学生時代に卒論のテーマを決める時に、そうした問題について探ってみたいと思い、儀礼の研究から入りました。
 私の研究対象は武家社会ですが、このような身分の上下関係を表すものは武家社会に留まりません。藩主の名前の一字を挙げ、この文字と読みの使用を禁じる禁字法令などは、藩主が犯すべからざる存在であるという上下の秩序を、自然と人々に内面化させる生活規則でした。実名はその人の人格そのものを表すという考え方は古代からあり、現代でも最初は苗字で呼びますし、初対面の相手を下の名前で呼ぶことはしませんよね。名前をめぐる古くからの感覚は現代を生きる私たちにも受け継がれているように思います。私たちの現在の生活や行動は、過去から様々な形で影響を受けていると考えます。


3 歴史を学ぶにあたり、身に付けてほしいことは?

 歴史の勉強を通じて、今を見る目を養ってほしいと思います。歴史を学ぶことで、過去を知るだけでなく、今を考えられるようになってもらいたいですね。過去を知り、過去から繋がる価値観や、社会が変わっていく姿を知ることで、私たちの社会の将来も変えることができるし、私たちが主体性を持つことで変えていけるんだと学んでほしいです。
 世の中がきな臭くなってきた時に、過去の苦い経験から社会が危険なほうに向かっているのではないかと気づけるだけで、今を見る目は養われていると言えると思います。その目が養われていない人は本当にただただ社会に流されるだけで「どうしてこうなったのか」と後悔してしまいますが、気づくにはポイントがあるのです。その時々に自分たちが置かれているターニングポイントを見定める目を持って、今を生きてほしいと思います。


4 先生は子どもの時から歴史が好きだったのですか?

 研究者や先生になろうとは考えていませんでしたが、子どもの頃から歴史は好きでした。小学校5、6年生の頃に親が買い与えてくれた小学館の「学習まんが 日本の歴史」シリーズを夢中で読んだのが興味を持ったきっかけです。
 同僚との研究で、仙台・宮城の6つの小学校の4~6年生1,000人ほどに「『歴史』に興味はありますか?」というアンケート調査をしたことがあるのですが、好きな児童のほうが多数派という結果でした。好きになった理由のトップは読み物です。中でも「日本の歴史」や「世界の歴史」が目立っているので、今も親御さんやおじいちゃん、おばあちゃんからプレゼントされたりして好きになる子が多いのかもしれません。
 小学生には読み物が非常に影響力があったのに、中学・高校と上がっていくと授業のウエイトが大きくなります。大学1年生にアンケートを取ったら、歴史を好きになったきっかけも嫌いになったきっかけも一番は「授業」でした。そういった意味では、教える側の責任は重大ですね。


5 ままぱれ読者にアドバイスをお願いします。

 お子さんが「学校でこんなことを勉強してきたよ」と話してくれると思うのですが、教科書に載っているのは全国の歴史です。なので、家庭では日常生活で関わる身近な場所の歴史を話してあげると喜ぶのではないでしょうか。参勤交代で大名が歩いた道は、現代でもだいたい国道になっていますし、参勤交代の行列が通った宿場町に見られた道の屈曲が今も現存していたり、建物が残っている場合もあります。石碑や祠など、身近に残っている歴史に関わるところをお子さんと一緒に散歩するのもいいですね。
 一般読者向けの地域に関する読み物もたくさん出ていますので、親御さんもそれを読んでネタを探しつつ、「歴史は今の自分たちと関わりのある事柄について学んでいるんだよ」と、お子さんに前向きなメッセージを送っていただければと思います。


  

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