「家事」を「家族事」に!
皆さんの家庭では家族みんなで家事を行う「家事シェア」ができていますか?
「ママが家事をして当たり前」ではありません。この機会に家族みんなで家事についてよく考えてみましょう。
お話を伺ったのは
Kaziプロジェクト代表 木村 秀則 さん
数年前、「ワンオペ家事」 状態だった妻が体調を崩したことをきっかけに、いかに女性の家事・育児負担が多いのかに気付きました。「家事」を「家族事」にしていくことが、私たちKaziプロジェクトの想いです。
「家事見える化シート」で見えてくる現在と理想の家事シェア
Kaziプロジェクトは「家事」を「家“族”事」にをキャッチフレーズに、「家事シェア」を当たり前にする想いの下で活動しています。聞きなれない言葉ですが、要は「家事を協力して行うこと」です。
今回は私たちが開発・販売している「家事見える化シート」をご用意しました。シートには家事・育児の主な25項目のマグネットがついています。これで誰が何を担当しているか見える化し、家事や育児についてご夫婦やお子さんを含めた家族で話し合っていただきたいです。
家事で一番大切なのは対話。「一人ひとりの当たり前は異なること」と「しくじりと対話の関係性」を知ってほしいです。得意なことや家事の方法は一人ひとり違います。夫婦の普段の生活でも育った環境や価値観、感性の違いが表れますよね。それを対話で擦り合わせることが家事・育児には必要なのです。対話が減ると夫婦のどちらかに負担やストレスがかかります。私も家庭では普段から対話し、共有できるカレンダーアプリなどを使いお互いの状況を把握し、子どもの送迎などの家事シェアをしています。
夫婦の会話が多いと夫婦で過ごす時間の満足度が高いという調査結果もありますよ。「家事見える化シート」を対話のきっかけにしてもらえると嬉しいですね。
参加者たちが現状を「家事見える化シート」で見てみると…
● 私がお願いすればパパは家事をしてくれるので、今後はいろいろお願いしてみて、パパができる家事を増やしていけたらなと思います。
● パパにしてほしい1番は「ありがとうと言う」こと。私の話に共感し、ねぎらってもらいたいです。一緒に生活するのだから、同じ感覚や意識を持って家のことをシェアしていきたいですね。
● 逆に私からパパに「ありがとう」が言えているか改めて考えさせられました。育休中の今は私がほぼすべての家事をしていますが、その育休も来年3月まで。保育園の送迎や家事シェアを今日の夜にでも本格的に話し合いたいと思います。
● 専業主婦の私が家事をして当たり前と思っていましたが、「ありがとうを言う」や「子どものお世話」なども家事なんだと気づいたので、これをきっかけにパパと話してみたいです。
● 最近夫が食器の片付けなどをしてくれるようになったのですが、私も自分がしなければと思ってたから、「片付けて」と言ってこなかったなと。これからは対話して2人ともニコニコしていられる家庭を作っていきたいですね。
● 私の掃除ではきれいになっていないと言われてから、掃除機をかけるのは主人の仕事になりました(笑)。価値感、掃除の完成度の度合いがお互いに違っていたんですね。
● パパが子どもたちの話を聞いてくれるのが一番嬉しいです。私が家事で忙しい時も、子どもの相手をしてアドバイスしてくれるので助かります。
「言ったらしてくれた」というご意見がありましたが、男性は察するのが苦手という人も多いそうです。
お子さんが小さいうちは育休をとっているママも、いずれは仕事復帰し、帰りが遅くなったりします。今のうちに育休が明けた時にどうするか、少しでも話し合いの時間を持って、先々の家事分担を考えられるといいですね。
家事・育児の工夫ポイントを教えて!
「カーテンを開ける」「ベッドを整える」など細かな家事も含めると、家事・育児はあっという間に100以上になってしまいます。これを毎日行っているんだから、皆さんは本当にすごいんですよ。
次は皆さんがご家庭でやっている工夫ポイントを教えてください。私の家では子どもたちも戦力になっています。小学3年生と中学2年生なのですが、2人とも普通にご飯を作れます。お子さんがお手伝いに興味を持ったらぜひ一緒にしてみてください。後々すごく戦力になると思います。場合によっては無理せずハウスクリーニングなどのプロも積極的に活用しましょう。それも家事シェアには必要なのです。
自分の家庭の工夫ポイントってなんだろう?
● 畳んでいる時や畳まれている状態の服に子どもが興味を持っているみたいなので、今度、畳み方を教えようと思います。
● 私は食事作りに手間をかけたくないので、みやぎ生協の便利食材や冷凍食品、総菜で済ませることも多いです。
● お風呂など日常的に使う場所の掃除は、なるべく汚れを残さないように私が毎日小まめに掃除するようにしています。この機会にパパと話し合ってみたいですね。
● うちの家庭では子ども用に「お手伝いポイントカード」を作って、10個たまると50円のお給料を出すようにしていますよ。
夫だけでなく子どもたちも巻き込む家事シェアのコツは?
私の妻も「見える化シート」を使っていて、簡単な家事は子どもたちの欄に貼って分担しています。
子どもたちは正直あまりしたくはないようですが、担当が決まっていると責任感が出てくるのか、自ずと家事をしてくれるようになりました。皆さんのご家庭での家事シェアのコツはありますか?
子どもたちには何をどうお願いしてる?
● 選択制にして、子どもに「洗濯物とお掃除、どっちがいい?」と言うと、片方はしてくれますね。
● 夫ともシェアしていますが、小学6年生の息子にも「一人暮らしした時に家事の仕方を知っていれば楽になるよ」と言って、家族3人で分担しています。
● 夫にも子どもに対しても、家事が終わったら大絶賛しています。「嬉しい!」って言うと、また家事をしてくれるようになりますね。
● しなくちゃいけない家事が3つあったら、「私が2つするから、もう1つをお願いね」とお願いするとしてくれます。
先ほど家事は100以上と話しましたが、さらに細かいものも含めると200~300くらいあると思います。それをする皆さんはすごいです。でも、無理は禁物。家族と協力したり、外部のサービスも上手に使いながら、「家事シェア」を広げていってくださいね。