赤ちゃん返りで甘えん坊な3歳児、このまま受け止めていい?
生後9ヶ月の娘と3歳の息子がいます。息子は赤ちゃん返りして、ご飯は基本的に「食べさせて」、着替えも寝そべったまま「着替えさせて」と言います。一時保育利用時など、外では自分のことはしっかりやっているようです。甘え足りないのかなと思いますが、このまま受け止め続けても大丈夫でしょうか?(仙台市・Tさん)
下のお子さんのお世話をしながらですので、精神的にも体力的にも大変な時期ですね。ご質問にありました「一時保育の時は自分の事はしっかりとやっている」とのことでしたが、お子さんはお母さんのそばを離れた所で頑張っていたのですね!家庭に戻ると出来ていたことをしなくなり、出来ないフリをしているのは、赤ちゃんと同じように甘えたい気持ちの表れかもしれませんね。
それまでご両親に目を向けられていた愛情を取り戻したい、という気持ちを言葉にすることは難しいので、赤ちゃん返りという方法で関心を引いているのかもしれません。赤ちゃん返りの理由として「ぼくを見て!」という注目願望が大きいようです。とは言え、上のお子さんの着替えや食事など全てに手を差し伸べられない時もありますよね。そして、手一杯の時にこそ「これやって」と甘えが強くなる場面も多いかと思います。
ここでは赤ちゃん返りをなくす方法ではなく、お子さんにとって安心感が持てるようなお話をさせていただきます。ポイントは量より質です。お子さんがやってほしい時に手を差し伸べるだけではなく、大人の方からお子さんにアプローチをかけ「抱っこしてもいいかな?ギュッと抱きしめてもいいかな?大好きだよ」など言葉や行動で分かりやすく表してスキンシップを図るのもよいと思います。また立つのが難しい場合は、膝の上にのせて絵本を読んだり、ほっぺに触れたり、出来る範囲で体に触れてスキンシップをとるだけで、意外と子どもは満足する時もあり、肌に触れる時間が増えるだけで子どもは安心すると思います。時間を設けるのが難しい場合は、日々の生活の中で、自然と上のお子さんに触れる機会があると思いますので、目を見て会話を楽しんだり、頭をなでるのもいいですね。
赤ちゃん返りが落ち着くのは個人差があり、一度落ち着いたと思っていても時間をおいて再び始まる子もおり、上の子は上の子なりに、赤ちゃんがいる生活を受け入れようと日々頑張っているかと思います。親子の関係性だけでなく環境にも左右されますので、「もう〇歳なのに…」などと思うことなく、お子さんの気持ちを大切にして関わっていけば、赤ちゃん返りが落ち着く日は必ずやってきます。この時期は何とか自分でやらせようとせず、甘えを受け止めて、出来た時にはたくさん褒め安心感が得られる方法がよいでしょう。
親の心に余裕がないと、負の感情の悪循環が発生してしまうこともありますので、ご両親もしっかりと休息をとり、ちょっと育児に疲れを感じてきたなという時には、周りの人に助けを求めるのも大切です。今しかない楽しい育児にしていけるといいですね。
POINT!
親子の関係性だけでなく環境にも左右されますので、「もう〇歳なのに…」などと思うことなく、お子さんの気持ちを大切にして関わっていけば、赤ちゃん返りが落ち着く日は必ずやってきます。
アドバイスをいただいたのは…
石倉 真理香
国見ケ丘せんだんの杜保育園 保育士
3児の母
掲載年月/2025.05
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