一度失敗したことを頑なに拒否する子どもたち再チャレンジさせる方法は?
5歳の娘と10歳の息子は、どちらも「一度失敗したこと」を頑なに拒否するので困っています。
そのためまだ自転車に乗れません。
気持ちはとてもわかるのですが、一度の失敗を気にしていたら何も身に付かなくなってしまいます。
なんと声がけしたら良いですか?
まず5歳の娘さんについてです。5歳ですと年齢的にまだ自分の気持ちを言葉で上手に表現するのが難しいので、親御さんのほうでいろいろな声がけをしながら気持ちを探っていけるとよいかと思いました。例としては、「失敗するのは恥ずかしいの?」「失敗するのはいけないことだと思うの?」など娘さんが自分の気持ちを表現しやすいような声がけをして、思いを確認してみてはいかがでしょうか。そこで「失敗が怖い」と思っているなど具体的な思いが分かれば、それを踏まえて関わることが重要です。「失敗が怖い」と思うなら、なるべく小さな成功体験を積み重ねられるように、自転車のハンドルをしっかりつかむなど小さな目標を一緒に考え、それが成功したらシールを貼るなど達成感を持ちながら進めていくのが効果的かと思います。目標を立てる際には、欲張らず簡単にできることを沢山設定し、成功体験を沢山積み上げられるようにしていけるとよいです。
次に10歳の息子さんについてです。10歳ですと自分の気持ちや考えを言葉で伝えることができる年齢なので、息子さんが頑なに拒否する気持ちをじっくり聞く時間をつくり、その後どうしていけばよいかを考えられるような声がけが効果的です。例としては、息子さんに「自転車に乗る練習についてどう思っているの?」など息子さんの考えや思いを確認する声がけをします。そして、「何回やっても自転車で転んでしまうのが嫌」などの考えが聞けたなら、「どうすれば転ばなくなるかな」と息子さんが考えられるような声がけをし、自転車の上手な乗り方を一緒に調べてみるなどしながら、息子さんが失敗に対して具体的な対策を考えられるように支援していけるとよいですね。そのような声がけをすることで、失敗を拒否するのではなく、失敗したら対策を考えればよいと思うかもしれません。
最後に、上記のようにいろいろ考えても失敗することは必ずあります。その際には、親御さん自身の経験談を踏まえてどう乗り越えてきたかを声がけしてみてください。「お父さんも自転車の練習をした時には転ぶと痛くて、嫌になったんだ。でも友達と自転車で遊びに行きたいから、何度も練習していたら急に乗れて嬉しかったな」など親御さんも失敗するし、失敗を乗り越えるために頑張ったこと、その先の成功が嬉しかったことを具体的に伝えるのがポイントです。そのような声がけをすることで、自分だけが失敗するのではないこと、そして失敗が成功のための途中経過であると考えられるようになるかもしれません。
POINT!
親御さん自身の経験談を踏まえて声がけしてみてください。乗り越えるために頑張ったこと、その先の成功が嬉しかったことを具体的に伝えることで、失敗が成功のための途中経過であると考えられるようになるかもしれません。
アドバイスをいただいたのは…
高田 昭先生
福島県出身。専門は精神看護学。
精神看護専門看護師、保健師、公認心理師。
現東北福祉大学健康科学部助教。2児の父。
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