ままぱれ

お子さんを認めてあげることで育まれる“自己肯定感”

10歳になるうちの娘は自己肯定感が低くて、自分から何かをやってみようとしません。私の育児が悪かったと思っていますが、「誉めて伸ばす」が難しいです。
これからもっといろんな人と出会ったり社会に出ても、自己主張の弱い子になってしまいそうです。どうすればこれからでも高められるでしょうか。(仙台市・Fさん)

 自己肯定感とは「自分はそのまんまの自分でいいんだ。そのまんまの自分をみんなが認めてくれているんだ」という感覚だと言えます。単に今のままでいいんだということではなく、何かで失敗したとしても、次にまた頑張ろうという気持ちになれるということですね。そのために必要なことは、ことばでほめたりするよりも、「お子さんをそのまんま認めてあげている雰囲気」です。ですから、お子さんが何かうまくいかないことがあっても、それに一喜一憂しながらもどっしりと構えていることだと思います。

 Fさんのお子さんが、具体的にどのような場面で自己肯定感の低さをみせているのかにもよりますが、10才であれば、学校の勉強や運動、習い事、持っている文房具や洋服などなど、自分と周りの子を比べることが多くなります。その中で、劣等感をもってしまったり、お子さんはお子さんなりに外の世界で悩んだりするわけですから、家の中では「ただ安心してゆったりと楽しい気分で過ごす」ことも大切ですね。Fさんのお子さんが「ほめて伸ばすのが難しい」のは、Fさんから見て「ほめるところがない」からでしょうか?もしもそうであったとしても、10才であればそろそろお父さん、お母さんにほめられてもそんなにうれしくない年齢です。友だち関係の中で、他の子から認められたりする経験を通して自己肯定感が高まります。ですから、Fさんは、10年前に「うまれてきてくれたこと」をほめてあげた感覚を、時々でいいので思い出していただければ十分だと思います。まずはFさんがそのまんまのお子さんを認めてあげて、安心で居心地がいい雰囲気で帰りを待っていれば、子どもは外で成長します。

 そして、自己肯定感が高まると自己主張できるようになるのでしょうか?おそらく、「上手に」自己主張ができるようになると思います。自己主張の強い人の中には、場合によっては「なんでも反対!」や「わがまま」のような主張をしてしまうこともありますが、そのまんまの自分を好きな人は、他の人とトラブルをおこさないように、上手に説得力のある主張ができるようになると考えられます。ですから「自己主張をしなさい!」「自分の意見を言いなさい!」はあまり得策ではなく、自己肯定感が高まれば、自然に自分に合った自己主張ができるようになっていくものです。

 さて、ことばじりをとらえるわけではありませんが、Fさんは「子育ての仕方が悪かった」と感じていらっしゃるようですね…。でも、Fさんなりの考えで自信をもって子育てをしてきたことと思います。それを今から急に変えることは簡単なことではありませんし、さみしいですね。一方で子育ては試行錯誤です。Fさんらしい子育てをしながらも、もしも「本当に悪かった」と感じる部分があるのであれば、そこの部分については無理せず少しずつ変えてみてもいいのではないでしょうか。そして、それによってお子さんの様子が少し変わったとすれば、子育てとしては大成功だと思います。

Point

 10歳は両親にほめられてもそれほど嬉しくない年齢で、友だち関係の中で他の子から認められたりする経験を通して自己肯定感が高まります。また、そのまんまの自分を好きでいることで、他の人とトラブルをおこさないように、上手に説得力のある主張ができるようになると思います。

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