ままぱれ

不登校になった我が子と新しい世界を拓こう。

不登校になった我が子と新しい世界を拓こう

子どもたちが安心して学び、
暮らしていくために

「学校に行きたくない」は誰でも一度くらい思うもの。
でも今の時代、子どもたちの世界はもっと複雑になり、抱える問題も変わってきました。
ほんのちょっとしたきっかけで、不登校は起こるのだそうです。
その日が来た時にお子さんとどう向き合うか、誰に相談したらいいのか、「親の会」を主宰しているままぱれ編集員の活動をご紹介します。

ふとうこうカフェinせんだいみやぎ 代表理事 武山 理恵 さん(ままぱれ編集員)

「ふとうこうカフェinせんだいみやぎ」とは
不登校・ホームスクーラーの子どもたちと保護者、不登校経験者、フリースクールや学校関係者など、様々な人と人、そして情報をつなげるための場。子どもたちがのびのびと育つこと、孤立した親子がゼロになることを願い、仙台市・村田町ほか宮城県南部を拠点に活動中。

オンライン座談会に参加した編集員
武山 理恵さん(今回の講師)、梅田 裕美さん、佐藤 寛子さん、津田 由美さん、堀川 瑞穂さん、舛田 麻美さん、宮腰 聡子さん、山本 史美子さん

編集員さんたちにとって、
「不登校」は身近な問題ですか?

梅田:下の子が「幼稚園に行きたくない」ということが多いんです。幼稚園児の登園しぶりは甘えだとか、お母さんと離れたくないことが原因だから行かせたほうがいいなどと聞いて、引きずってでも連れて行きました。もし1日休ませたら、それがずるずる続くのではないかという恐怖もありました。今は楽しく通っているので安心しているのですが、小学校に上がれば理由も違ってくると思うので、その時にどうしたらいいか知りたいです。

宮腰:1年生の下の子がすごく立派にやる子で、最初の頃は立派にし過ぎて疲れてしまい、何回か休ませたことがあります。大人だったら適当に休んだり息抜きができると思いますが、子どもはそういうことができないから、ちょっとぐらい休ませるのもいいかなと思うのですが、それが続くと困りますよね。勉強や人間関係でちょっと躓くと、誰でも不登校になる可能性があるのかなと感じています。
山本:私自身、中学の頃はずっと学校に行きたくないと思っていました。その時間を無駄に過ごしたような気がして、もし行かなくて良かったならもっと違う自分になった気がします。だから不登校の子たちはどんな生活をしているのか気になります。
津田:私自身は学校に行くのは当たり前と思って育ちました。下の子が幼稚園の後半くらいから時々行きたがらないことがあり、小学校に入った今は普通に通っているのですが、何かあって行きたくないと言い出した時に、どういう話を子どもとしたらいいのか悩みます。周りに話を聞ける人がいないので、聞けるところがあるといいですね。
堀川:私自身が不登校で、中学校は半分しか行きませんでした。先生が家に訪問してくれた時に市民センターでやっているフリースクールを教えてくれて、中2の頃からそこに通い始めて、3年生の後半はそこと学校と半々くらい通いました。子どもがもしそうなったら、話を聞いてアドバイスしてあげたいですが、ただ行きたくないというのと、本当に悩んでいるかどうかの見極めができるかどうかがちょっと不安です。

佐藤:私は学校に行きたくないと思ったことがなかったので、不登校の子どもの気持ちを理解してあげられないのではないか、的確なアドバイスや対処ができないのではないか不安です。これから子どもたちが大きくなって何かあった時に、親としてどう見守ってあげたらいいのかをお聞きしたいです。


私も不登校を経験しました。

 私が不登校になったのは中2と高1の時で、保健室登校も経験しました。その後、宮城教育大学で障害児教育を専攻し、そこで不登校を経験した方々と会ったり、フリースクールの見学などをして、自分が悪いわけではなかったと腑に落ちました。教える側の立場を経験してみて、学校の何が問題だったのかがわかりました。
 うちは両親と私、妹と弟の5人家族。私はマイペースで恥ずかしがり屋で、今でいうHSC(Highly Sensitive Child、人一倍敏感な子ども)だったと思います。活字中毒で学ぶことが大好きな子どもでした。学校ではいじめはありませんでしたが友だちはおらず、教科書を読めばわかる授業を受けるのが退屈でした。何か目立ったことをすると人から何か言われるのではないかと、常に全身防護しているような中学時代でした。母は教育熱心で、100点取るのが当たり前のような人なので、家も心が休まらない場所でした。ずっと我慢して学校に通っていた中2の秋に母が入院しました。今日は怒られる心配がないと思った時、「今日は学校に行かなくていいんじゃないか」という考えが頭をよぎりました。突然そういうタイミングが訪れ、学校に行かない選択肢があることに気づいて不登校に“なれた”んです。
 不登校のきっかけというのは、本当に子どもによってそれぞれです。文部科学省で毎年先生たちに行っている「問題行動調査」では、不登校の原因の1位は「(本人の)無気力・不安」、その後は「いじめを除く人間関係」「親子の関わり方」「生活リズムの乱れ」だと先生たちは思っています。この結果をおかしいと思っていた私たちは、当事者や親の会にアンケートを行ったところ「学校の雰囲気が合わない」が1位で、あとは先生、人間関係と、4割は先生や学校の問題でした。先生の見立てと当事者側が感じている理由が完全に乖離している状態なのです。

「ふとうこうカフェ
inせんだいみやぎ」って?

 2015年に私が不登校の体験談をお話しする機会があり、そこで出会った方々と意気投合して「親の会」のような形で継続し、「子ども自身が居場所・学び場を選べる社会を」を活動理念とし、不登校のお子さんや保護者、私のような経験者、フリースクールの関係者や先生などの人や情報を繋げる場として、2019年に団体名を付けて活動を始めました。親の会兼交流会として「ふとうこうカフェ」を毎月第一木曜日の午前中に、仙台駅東口の駅東交流センターで開催しています。
 2020年に、コロナで休校になった子ども向けに「ふふふ」という出張居場所を10数回やりました。「ふ」は不登校、ファミリー、フレンド、フリースクールなどの「ふ」。いろんな「ふ」を見つけて、それを笑いに変えて行こうということで、川崎町にある施設の畑を借りて、泥んこになって遊んだりしま
した。その後「ふふふはうす&ふふふ子ども食堂」を第2・4水曜日に仙台市太白区砂押町でやっています。親御さんも参加して朝から始め、様々な遊びをやりながら、子どもたちもお昼と夜の食事の用意を手伝ってくれます。
 基本的に不登校というのは「年間30日以上欠席した者」と定義されていますが、平成29年2月に不登校児童生徒の支援のための法律である「教育機会確保法」が施行され、文科省でも「不登校は問題行動ではない」という通知を出しています。不登校の子どもたちにはフリースクールや家庭など多様な学び、一人ひとりに合った支援が求められているのですが、それらの費用は家庭ごとの負担になるし、出席日数が受験やその後の進学に影響するという問題もあります。
 フリースクールなどに通っているのは、不登校の子どもたちの1割くらいです。家で安心して暮らせるのならいいのですが、そうでない場合もあるし、お仕事のあるお母さんは仕事を辞めなければならないのではないかと悩まれている方もとても多いですね。それでも、無理に学校に戻して頑張り過ぎると、命に関わる場合もあります。そうならないように、私たちは居場所づくりをしているんです。

子どもが「学校に行きたくない」と
言い出したら、
誰に相談したらいいのでしょう?

 宮城県は不登校や引きこもりが多く、中学校は全国1位を4年連続更新中(文科省2019年度 問題行動調査結果)です。不登校は子どもの問題ではありますが、お子さんが「学校に行きたくない」と言われたら、お母さんが一番パニックになるし、誰に相談していいのか悩むと思います。
 私たちの「ふとうこうカフェ」だけでなく、フリースクールなどを運営している約10団体の「みやネット(多様な学びを共につくるみやぎネットワーク)」があります。
子どもの居場所マップ
「みやぎ不登校4000人アンケート」を実施したり、仙台市長や宮城県知事に要望に行くなど、不登校の子どもたちが置かれている状況を良くするための活動をしています。そこで「みやぎ 子どもの居場所マップ」を作りました。子どもたちが多様な学びができるよう、フリースクールや親の会、行政の窓口などの情報がまとめてあります。
 不登校を経験してきた「親の会」の方々は、悩みを相談できたり、いろいろな情報を持っているので結構力になってくれます。「みやネット」に登録している団体は、子どもの権利を守りたい団体ばかりです。誰かに繋がること、他人を頼るということがとても大切です。ぜひ一人や家族の中だけで悩むのではなく、外の世界と繋がってほしいと思います。

~お話を聞いて~
 不登校の子どもたちが、「私も昔は不登校だったんだよ」という大人と出会って、しかもその大人がきちんと社会で生きているとしたら、どんなに安心するでしょう。心を開いて、話をしてくれるかもしれません。現状は不登校の子どもたちの受け皿が整っているとはいえず、また単に学校に復帰させればそれで良いのかなど子どもたちの立場に立って早急に考えることが、大人たちに求められています。

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