ままぱれ

風邪やウイルスに負けない備えや注意点を教えて

2歳の息子と5歳の娘がいます。今年はインフルエンザが大流行すると聞きました。
もちろんコロナも怖いですが、インフルエンザや普通の風邪、乾燥の対策など、冬に向けた備えや注意点を教えてください。
病院の負担にならないよう、子どもたちだけでなく、大人も気をつけないといけませんね。

2歳半の息子の癇癪…いつまで続くの?



 新型コロナウイルス感染症が流行してから2度目の冬がやってきました。昨年度もインフルエンザの流行が懸念されましたが、結果的に流行することはありませんでしたね。それもあって、今年度の流行を不安に思う気持ちがなお高まっているという方も多いのではないかと思います。大流行するかどうかは未知数ですが、新型コロナウイルス感染症の予防と同様、その他の感染症についても普段の生活の中で感染予防を心がけていけたらいいですね。

 さて、具体的な対策についてですが、感染が成立する際に必要な3つの要因というものを意識すると考えやすくなります。インフルエンザウイルスを例にすると、①感染源:インフルエンザウイルス、②感染経路:たとえば飛沫感染(感染者の咳やくしゃみのしぶきなどに含まれるウイルスが体の中に入る)③宿主:私たち人間、の3つが該当します。そして、冬に感染症が流行しやすいのは、①のウイルス側の事情、すなわちそもそもウイルスの多くが「低温」「乾燥」を好むこと、②の感染経路に関する事情、すなわち室温の低下を避けるため、窓を開けたり換気をしたりする機会が減ること、③の私たち人間側の事情、すなわち水分をとる量や回数が減り免疫力が下がりやすいこと、のどや鼻の粘膜が乾燥してしまいウイルスが体の中に入ってきやすくなることが関係しています。そのため、特に冬場に意識したい対策として、②に関しては「換気」、そして①③に関しては「保温」と「乾燥対策」が挙げられ、これらを上手に両立することがポイントになります。例えば、室内の温度は20~25℃、湿度は40%以上が目安となり、暖房器具や加湿器をうまく活用し、大人も子どももこまめに水分をとるよう心がけると効果的です。しかし、「換気」しようとして一気に窓を開けたりすると、室温も一気に下がってしまいかねません。そこで、冬場の換気として提案したいのは、定期的に窓を全開にするというより、一方の窓を常時少しだけあけておく、使用していない部屋の窓をあけ廊下を介して暖められた空気が流れてくるようにする、暖房器具の近くの窓をあけるといった工夫です。そのようにすると、室温を保ちつつ「換気」も行うことができます。

 またその際、特に子育て家庭の皆さんだからこそ注意していただきたいこともあります。暖房に使用するヒーターやストーブ、湿度の調整に使用する加湿器の中には、子どもが触れたり近づいたりすると「やけど」をしてしまうようなものがあります。また冬場ですと、温かい飲み物が飲みたくなりますね。ポットを使用することも増えるでしょうし、飲み物の温度が高すぎると、それをかぶったり飲み込んだりすることによって、やはり「やけど」をしてしまうこともあります。感染対策に気をとられるあまり、子どもの事故防止にまで気が回らないということも起こりえること、どうぞ覚えておいてくださいね。

 もちろん、②の感染経路対策としての「手洗い・消毒」「マスク着用」は、どのようなウイルスであっても効果的です。また、③の宿主の免疫をあげる対策としては「ワクチン接種」が代表的ですが、「おいしく食べる」「よく体を動かす」「ぐっすり眠る」そして「よく笑う」の効果も絶大です。

 私たちは、ここ数年、多くの懸念や制約と隣り合わせの生活を送ってきました。これから先どのような生活が待っているか、まだ見通しが持ちにくい状況が続きますが、日々の生活の中の小さな楽しみも大切にしながら、感染予防に力を合わせていきましょう。


アドバイスをいただいたのは…
下山田 鮎美 先生

山形県出身。専門は公衆衛生看護学。看護師・保健師。
現東北福祉大学健康科学部准教授。2児の母であり、当事者としての視点を大切にしながら子育て支援の活動を行っている。博士(都市科学)。



  

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