勉強が嫌いな息子にやる気を出させるには?
もうすぐ小学2年生になる息子は、勉強が嫌いです。
小さい頃は目に入るいろんなことを「なぜ?」と聞いてきたのに、今はさっぱり。
本を読むのは好きなのですが、学校の勉強は嫌らしく、帰宅してから宿題に手をつけるのも時間がかかっています。
今からこれでは将来困ると思います。やる気を出させる方法はないでしょうか。
まず、一般的な発達のお話をすると、子どもは2歳半を過ぎた頃から、「なんで」「どうして」といった質問をたくさん投げかけてくるようになります。これは、自分の気持ちを言葉で表現できるようになったという言語面での発達に加えて、身の回りのさまざまなことに興味や関心をもつようになり、好奇心が育まれてきたという成長のあらわれです。ふとした疑問から、「なんで」「どうして」が次々わいてくることはもちろんですが、時には、答えを求めてというより、大人との言葉のやりとりを楽しんで「なんで」「どうして」が投げかけられることもあります。
相談者さんのお子さんから「なぜ」があまり聞かれなくなったのは、知らないことが多かった幼児期に比べ、知っていること、理解できることが増えてきたからと考えることができます。また、本を読むことが好きということからも、決して好奇心や探求心がなくなってしまったわけではなく、わからないことを自分なりに調べたり、解決したりする力が身についてきたから、とも捉えられます。お子さんは着実にたくましく成長されていますので、その点は安心なさってくださいね。
次に、お子さんのやる気を引き出すためには、まず、勉強が嫌いな理由を確認してみましょう。もし、勉強がよくわからなくてやる気が起きない場合は、お子さんの理解度にあわせて、「自分で解けた」「わかった」という達成感が得られるような問題をご用意してみてください。「できないから苦手」を抜け出して成功体験を積み重ねることが、やる気につながります。
また、勉強をする意味を見出せないから、やる気が起きないということもあるでしょう。子ども時代を過ぎてきた親からすると、「今からこれでは困る」ことが経験から理解できても、もうすぐ小学2年生になるお子さんにとっては、まだ実感として理解するのが難しいかもしれません。この場合は、「勉強しないとだめになる」というマイナスな言葉ではなく、「勉強するとこんなことにつながる」というプラスの言葉で期待がもてるように伝えてみましょう。そのためには、お子さんが将来なりたいものを目指すうえで、今のうちにどんな力を身につけておくと良いか、一緒に調べてみてはいかがでしょうか。「なりたい」目標がみつかり、勉強をする意味が見いだせるようになると、学ぶ意欲につながることが期待できます。その目標はすぐにみつかるとは限りませんが、人から指示されたものではやる気が長続きしません。自分が決めたこと、自分で見つけた目標だからこそ、主体性やモチベーションの維持につながります。一番近くでお子さんをみていると、いつになったら変化がみられるのか、やきもきしてしまうかもしれません。けれど、様々な経験や人との関わりを通して、お子さん自身の力で目標を見いだし、勉強へのやる気につなげられるよう、たくさんのきっかけづくりをサポートなさってみてくださいね。
POINT!
「なぜ」が減ったのは幼児期より理解できることが増えたからです。読書が好きであれば好奇心や探究心がなくなったわけではありません。勉強が嫌いな理由を確認してみてください。将来の目標につながることがわかれば、勉強することに意味と意欲をもてるようになります。
アドバイスをいただいたのは…
高野 亜紀子 先生
青森県出身。専門は子ども学。社会福祉士。
現東北福祉大学総合福祉学部講師。
2児の母としての経験を生かしながら、子育て支援、保護者支援、保育者養成に関す る実践・研究活動を行っている。
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