小学生になった息子に勉強する習慣を身につけさせたいが…
4月から息子が小学生になったのに合わせて、通信教育を申し込みました。
親としては、そんなにがっちり勉強させようというわけではなく、勉強する習慣を身に着けさせたいと思ってのことなのですが、学校も始まったばかりで、幼稚園の時と違い疲れるのか毎日勉強するのがなかなか難しいようです。何かいい方法はないでしょうか。
真新しいランドセルを背負い希望に満ち溢れたお子さんの姿に喜びを感じる一方で、親としては、これから始まる学習のことも気になりますよね。
低学年のうちから自主学習を習慣化することは、勉強が難しくなり、予復習が必要となる中学校生活を見据えると、とても大切なことです。その習慣化について、今のうちから意識して頂きたいのは、何かを「習慣」にするためには、本人がその必要性を感じていたり、望んでそれに取り組む主体性や意欲が何よりのモチベーションになるということです。
お子さんの場合、まだ学校の授業も始まったばかりで、やっと少し、「勉強する」ことがどんなものか、なんとなくイメージできてきた頃かと思います。授業に少しずつ慣れ、勉強って楽しいな、もっと色々なことを覚えてみたい、してみたい、という気持ちが自然に芽生えた時こそ、通信教育などプラスアルファの学習に自発的に向き合うチャンスかと思います。そのため、お子さんの気持ちに準備ができているかどうかによって、働きかける方向が異なってきます。
もし準備ができていない状態で習慣化を焦ってしまうと、勉強に対する苦手意識や拒否反応が出てしまう可能性もあります。そのため、状況によっては一旦休止することも選択肢に入れながら、まずは学ぶ楽しさが感じられるようなサポートを心掛けてみましょう。もし準備ができていたとしても、初めのうちは、親としてもどかしいこともたくさんあるに違いありません。その際には、勉強もそれを継続して取り組むことも、お子さんにとっては初めて体験する難しいチャレンジであるということを意識してみてください。一緒に計画を立て、見守りながら取り組む方法も一つですが、親のスタンスとしては、今の年齢ではそのとおりにいかなくても仕方ない、と思うぐらいがちょうどよいかもしれません。お子さんの意欲や自信につながるように、少しでもできた部分、変われた部分に目を向け、それを認める言葉がけをしてみましょう。
また、もう一つお伝えしたいことがあります。お子さんも今はまだ小学校が始まったばかりで、新しい環境に慣れることに一生懸命な時期であるということです。初めて体験する一つひとつの出来事に緊張したり、戸惑ったり、大人が思う以上に心も体も頑張っていることと思います。今のお子さんにとっては、そのような緊張から解放されて、自宅でほっとできる時間、好きなことをして過ごす時間も大切で、それが明日への活力にもつながります。また、学校生活に慣れるにしたがい、さらに新しいこと(通信教育)にチャレンジしようという意欲がわいてくることも多いです。そのため、まずは生活習慣、生活リズムを整え、毎日元気に学校に通うことが、お子さんにとって当たり前の日常になることからスタートできるとよいかもしれません。
小学生は、いつか大人の手を離れるその時のために、成功も失敗も経験しながら、少しずつ、自分で考え判断する力を育む大事な時期でもあります。その力が育まれるためには、たとえチャレンジの結果が成功であっても失敗であっても、そうすると自分で決めたということ、そしてそのチャレンジを支持されたということがとても重要になります。小学生になり、いろいろなチャレンジが始まる今だからこそ、お子さんの気持ちを確認し尊重しながら、指示よりも支持を心がけ、お子さんに合った学習スタイルを模索してみましょう。
POINT!
「習慣」にするには本人の主体性や意欲が大事です。お子さんの気持ちに準備ができていないのであれば、まずは生活習慣を整え、毎日元気に学校に通えるようになってからでもよいかもしれません。
アドバイスをいただいたのは…
高野 亜紀子 先生
青森県出身。専門は子ども学。社会福祉士。現東北福祉大学総合福祉学部講師。
2児の母としての経験を生かしながら、子育て支援、保護者支援、保育者養成に関する実践・研究活動を行っている。
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