子どもの生活リズムの整え方とストレス解消法
年中の娘と小学2年生になった息子がいます。今年は4月になっても学校が始まらず、私も夫も仕事を休めない時は学校や児童クラブに預けたり、自宅で勉強させましたが、ついテレビやゲームの時間も長くなってしまいました。
これから元に戻れるのか心配です。子どもたちの生活のリズムの整えかたやストレス解消法など教えてください。
緊急事態宣言を受けて、学校も休校になりましたね。先が見えない不安、いつもと違う閉塞感の中、本当にお疲れさまです。私も子どもたちの生活をどう守ったら良いものか、頭を抱えている親の1人ですので、質問者さんが心配されるお気持ちがとても良くわかります。何か生活のヒントになればと思いますので、一緒に考えていきたいと思います。
まず、生活リズムの整え方についてですが、この自粛生活の中で学校があった時のように規則正しい生活をするというのは、維持するだけでも大変なことです。質問者さんは生活リズムを気にかけておられているので素敵な親御さんだと思いました。生活リズムを整えるポイントとしては、学校がある日常の生活に可能な限り近づけるということです。同じ起床時間や食事時間を意識しておくと、学校が始まってからの生活がスムーズかと思います。この時ですが、生活リズムは30分程度でしたら、生活リズムの修正がしやすいと言われていますので、時間ぴったりでなくとも30分程度の幅を持たせておいても大丈夫です。また、お子さんの発達段階を考えると小学校2年生は、時間の概念もわかりますし、時計も読めるようになってきています。しかし、「時間をみて自分で行動する」というのはまだ難しい年齢です。テレビやゲームの時間が長くなるのも、気づいたらこんなに時間がすぎていた、というのがお子さんの感覚だと思います。そのため、お子さんが時間に気づけるような工夫が必要になります。工夫の1つとしては、テレビやゲームを始める前に、何時までとか、この話が終わったら、のように終わりの時間を一緒に決めておくことです。そして、その時間になったらお子さんが気づけるように、声をかけたり、アラームなどで教えてあげるのがおすすめです。
次にストレス解消についてですが、これもとても大切だと思います。人間がストレスを感じる時の脳内のメカニズムは、「ストレスを感じる時に出るホルモン」と「幸せを感じる時に出るホルモン」とのバランスが影響していると言われています。今は生活の様々なところで制限があり、ストレスとなる生活環境そのものを変えることが難しいので、「幸せを感じるホルモン(セロトニン)」が多くでるようにしていけると良いでしょう。セロトニンが多く分泌されるためには、好きなことをする時間を増やしていきます。お子さんが好きな遊び、親御さんと穏やかに一緒に過ごす時間、何でも良いと思います。何か特別なことをする必要はないと言われています。いつも使っているもの、いつもやっていることを、毎日同じ繰り返しで大丈夫です。その好きな時間の繰り返しが子どもの心のケアにとても大切です。
この原稿を書いているのは5月4日です。皆さんがこちらを目にする頃には、また状況が変わっているかもしれません。どのような状況であっても、皆さんが笑顔で健やかな暮らしでいられることを心から願っています。
アドバイスをいただいたのは…
佐藤 晃子 先生
青森県出身。専門は公衆衛生看護学。看護師・保健師。現東北福祉大学健康科学部助教、同次世代育成支援室母子保健部、保健師。2児の母。
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