乳児に「はちみつ」はNG⁉何歳から大丈夫?
妊娠10ヶ月目の妊婦です。乳児に「はちみつ」を与えない方がいいと聞きました。
どうしてなんでしょうか?「はちみつ」は何歳から摂取していいのですか?
また、「はちみつ」以外にも気をつけたい食べ物があったら教えてください。
腸内細菌が充分に発達していない乳児では、乳児ポツリヌス症になることがあります。そのため、「はちみつ」は乳児に与えないようにとされています。腸内細菌が発達する1歳以降になると、ポツリヌス症になることはありません。また、妊婦さん、授乳中のお母さんが「はちみつ」を食べてもポツリヌス症にはなりませんので、ご安心ください。
「はちみつ」以外で気をつけたい食べ物についてですが、牛乳も1歳を過ぎてから飲ませる方がよいと思います。乳児の腸管が未熟なため、牛乳の中に入っているたんぱく質を分解しきれず、体に負担がかかってしまいます。また、牛乳には、カルシウム・リンが多く含まれており、腸管での鉄分の吸収を妨げてしまい、鉄分が不足して貧血になることがあります。牛乳は、与える時期を間違わなければ栄養豊富な飲み物ですので、飲ませられる時期になったら、積極的に飲ませてあげられると良いと思います。
現在、妊娠10ヶ月目ということですので、少し先の話になりますが、離乳食で与えるものとして気をつけていただきたいことを説明しますね。首のすわりがしっかりしている、支えてあげると座れる、食べ物に興味を示す、スプーンなどを口に入れても押し出すことが少なくなる、などの様子が見られる生後5、6ヶ月頃から離乳のスタートになります。離乳食は、なめらかにすりつぶしたものから始め、赤ちゃんのかむ力に合わせながら、食べ物の硬さと量、種類を少しずつ増やしていきます。離乳食の開始時には、味をつける必要はありません。離乳食が進んで味を付ける場合も、素材の味を生かして薄味にしてあげるとよいと思います。大人用の顆粒だしやコンソメ、大人用のインスタント・レトルト食品、漬物や塩辛などの塩分や食品添加物が多く含まれているもの、わさび等刺激が強い香辛料は与えないようにするとよいですね。また、市販のジュースやお菓子などは、甘くておいしいものが多いように思いますが、味を覚えて食欲に影響し、なかなか離乳食(ご飯)を食べてくれないということになりかねません。素材の味がわかる、お子さんになれるとよいと思います。
POINT!
「はちみつ」の成分が問題なのではありません。「はちみつ」にポツリヌス菌という細菌が入りこむことがあります。この細菌が腸内で繁殖するとポツリヌス症という病気を発症することがあります。
アドバイスをいただいたのは…
渥美 綾子 先生
山形県出身。専門は公衆衛生看護学。看護師・保健師。
保健師の経験を経て、看護師・保健師の教育に携わるようになる。現東北福祉大学健康科学部講師。
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