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下の子ができて最初は兄だと張り切っていた3歳児が今では赤ちゃん返り?

下の子が生まれたら3歳の息子が赤ちゃん返りしました。最初は妹の面倒をみようと張り切っていたのですが、だんだん泣いてわがままを言うようになりました。
2人目とはいえ子育ては大変で、赤ちゃんが2人いるようで手を焼いています。「お兄ちゃんなんだから」と言うのも可哀想なので、何かいい方法はありませんでしょうか。

下の子ができて最初は兄だと張り切っていた3歳児が今では赤ちゃん返り?



 3歳のお子さんの赤ちゃん返りについてのご質問ですね。妹さんの面倒をみようと張り切っていたとのことですので、おそらく、お兄ちゃんになったということの嬉しさ、お兄ちゃんとしての役割を果たしたいという思いは持っているのだろうなと想像しました。そのような思いを持ちながらも、実際に一緒に生活を送るようになり、親御さんの関心が妹さんに向き、いろいろとお世話をしている姿を目の当たりにしている、といったところでしょうか。

 さて、このような上の子の反応は、一般的にはよく見られると考えられています。なぜこのような反応が出るようになったのかを、お兄ちゃんの視点から考えてみると、対応の糸口がみえるかもしれません。これはあくまで想像ですが、これまでは、親御さんたちの関心が自分ひとりに向き、親子のコミュニケーションの中心に自分がいたという生活が、妹さんの誕生によって一変した、ということがあったかもしれません。お兄ちゃんになったということは頭でわかっているので、おそらくその状況を受け入れようと振舞っていたことも想像されます。その背景にあるお兄ちゃんの気持ちに想像力をめぐらせ、それらに対して、意識して感謝をしたり、寄り添ったりするというのが、対応のヒントになりそうです。

 例えば、お兄ちゃんとして妹さんをあやしてくれたりした時には「とても助かったよ」「ありがとう」という気持ちを伝えてみましょう。また、泣いたり、わがままを言っている時は、自分を見てほしいという気持ちが溢れだしているサインと思い、お兄ちゃんの気持ちを尋ねてみたり、その場面だけではなく生活全般でお兄ちゃんとのかかわりを増やしていったりという対応ができるといいですね。また、下のお子さんのお世話をお父さんが担当し、お母さんとお兄ちゃんの二人っきりでお出かけをするというのもお勧めです。二人っきりだと、おのずと「お母さんは自分をちゃんと見てくれている」というシチュエーションが生まれるので、とても自然な形でかかわりを増やすことができ、お母さんの気持ちがお兄ちゃんに伝わりやすくなります。もしそこまでするのが大変であれば、一緒にお風呂に入る、一緒に絵本を読むというのもいいアイディアです。

 下の子が生まれるというのは、家族の関係をもう一度つくりなおすというタイミングでもあります。その中で、上のお子さんだけではなく、お母さん、お父さんにも様々な気持ちが生まれ、それが言葉や行動に現れるというのはよくあることです。家族の中には相互作用というものがあるので、どこかの関係性をよいものに変えていけると、その効果が家族全体に広がっていきます。もしかしたら、妹さんが生まれたことに対して、素直に様々な反応をしてくれているお兄ちゃんから、そのきっかけをもらっているということなのかもしれませんね。


POINT!
妹の誕生で家族の関係性が一変したお兄ちゃんの視点から考えてみましょう。赤ちゃん返りするのは自分を見てほしい気持ちが溢れ出しているサインなので、親とのかかわりを増やす工夫が必要です。また、下の子の面倒をみてくれた時は感謝の気持ちを伝えてください。


アドバイスをいただいたのは…
下山田 鮎美 先生

山形県出身。専門は公衆衛生看護学。看護師・保健師。現東北福祉大学健康科学部教授。
2児の母であり、当事者としての視点を大切にしながら子育て支援の活動を行っている。
博士(都市科学)。



掲載年月/2024.07

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