ままぱれ

やんちゃな子との距離

小学3年生の息子のママです。最近、少々やんちゃな子と遊ぶようになり、その子に巻き込まれて怒られることがあります。正直、距離をおいてほしいのですが、あまり口出しすべきではないのでしょうか…?

 小学3年生になられたお子さんの友達づきあいについて案じておられるのですね。質問の中に、一緒に遊んでいる子の特徴や出来事を書いていただいていることから、日頃からお子さんをよく見ておられるのだなぁと思いました。

 さて、友達づきあいに口出しすべきかどうか?とのご質問ですが、まず、この時期の友達づきあいの特徴を知ることによって、対応のヒントが得られるかもしれません。すでにご存知かもしれませんが、この年代の子ども達のことを「ギャングエイジ」と呼ぶことがあり、今までいろいろなお友達と入り混じりながら遊んでいたのが、急に決まった仲間たちとグループを作り、いつも一緒に何かをするという様子が見受けられるようになります。その一緒に何かをするという行動が、親の目の届かないところで繰り広げられていたり、時にやんちゃが過ぎて怒られたりということにもつながるため、親としては、果たしてこのままでいいのか心配になるのでしょう。一方、子どもたちにとっては、友達と同じ集団に属しているという感じを共有しながら、一緒に遊びほうけることを通じて、協力すること、ルールを守ること、責任を持つこと、仲間を思いやること等の大切さを学びとっていく機会でもあります。社会で生きていくうえで大切なことを、お友達と一緒に試行錯誤しながら学んでいる時期であるとするならば、まず、親は、このような子ども同士の相互作用を信じ、見守るという立場に身をおくことになるのでしょうね。

 しかしその一方で、子ども達がまだまだ学びの途中であることを考えると、何かのボタンの掛け違いで負の相互作用が生まれていたり、やんちゃが社会の許容範囲を超えていたり、仲間たちと一緒に行動するのがつらくなっていたり、ということもあるかもしれません。そのような時には、親や周囲の大人が、そのSOSサインを上手にキャッチし、時に話しを聴いたり叱ったりしながら、子どもたちの育ちあいをサポートしてあげることが必要になります。たとえば、日頃から子どもと話をする際に、口を出したくなる気持ちを抑え、まずは子ども自身の体験を聴く。それに加えて、思いや考えについても、“しつこくない程度”に“さりげなく”尋ねてみる。そうすると、子どもの本音がポロリとこぼれたり、子ども自身で思いや考えが整理できたりということもあるようです。また、そのような日常を通じて作られた、“取るに足らない話であっても話を聴いてもらえる”、“思いを受けとめてもらえるという信頼関係”が、SOSサインにつながる場合もあるでしょう。

 そしてこれは、子ども達だけではなく、親達にも言えることかもしれません。これから先、子ども達は大きくなるにつれ親の手を離れていき、日常を見守っている大人たちによるサポートが力を発揮する時がやってくるでしょう。普段から、親同士あるいは先生との間で、ちょっとした子ども達の様子を話題にしあえるような関係性がつくられていくと、なお心強いかもしれませんね。


POINT!
子ども同士の相互作用を見守りつつ、時に話しを聴いたり叱ったりなどの サポートをしてあげることが必要になります。


アドバイスをいただいたのは…
下山田 鮎美 先生

山形県出身。専門は公衆衛生看護学。看護師・保健師。現東北福祉大学健康科学部准教授、同次世代育成支援室母子保健部、保健師。2児の母であり、当事者としての視点を大切にしながら子育て支援の活動を行っている。博士(都市科学)。



  

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