我が家のルールを小さい子どもたちに伝えるには…?
我が家では、道路は車が通るところで遊ぶ場所ではないという考え方ですが、近所のご家庭は自宅前の道路で遊んで良いという考え方が大多数です。小4の長男は理解しているのですが、年中と2歳の娘たちはなぜ目の前で遊んでいるみんなと一緒に遊べないのか理解できません。ほかの家庭とうちの考え方の違いを子どもたちに伝える方法を教えてください。
お友達と遊ぶときの約束やルールなど色々な守るべきことがありますよね。お子さんの安全に関わることは、特に理解してほしいと願われることと思います。単にルールを教えるのではなく、ご家庭によるルールの違いをどのように伝えると良いのか、とても悩ましいですよね。そこで今回は一緒に考えてみたいと思います。
最初に、幼児の発達面からルールを守れるようになるまでのステップを少し見てみたいと思います。2歳のお子さんは、これからますます多くの言葉を覚え、社会にはルールがあるということに気付き始める時期になります。例えば、公園で滑り台の順番を待つといったルールは、まさにこれから理解しはじめる時期になります。繰り返し伝えていくことで、3歳ごろになると、生活や遊びの中には、必要なルールがあることを認識し、それを守ろうとするようになります。4歳ごろになると、ルールがあることを理解し、自分がどのように行動すると良いかがわかるようになり、徐々に自分から行うようになります。そして、5歳をすぎるころになって、ルールは1つではなく、人や環境によって異なることもあるということがわかるようになってきます。このように、少しずつステップを踏みながら、約束やルールを理解し、守れるようになってくると言われています。
次に、このようなステップを踏まえて、どのようにご家庭による考え方の違いをお子さんに伝えていけると良いか考えてみたいと思います。2歳のお子さんは、まずはご家庭のルールを短くわかりやすく伝えると良いでしょう。2歳の頃はまだ十分に理由を理解するのは難しいかもしれません。理由は繰り返し伝えつつも、「道路では遊んではいけないよ」というルールをまずは強調していくことが良いかと思います。伝える時のコツとしては、この時期はまだ言語での理解が十分には難しいため、真剣な口調や表情で伝えると良いですね。4歳のお子さんは、少しずつルールが理解できるようになってきますので、理由も伝えるようにしましょう。例えば、「車が来て危ないから、遊んではいけないよ」というように伝えられると良いでしょう。他のご家庭との違いについては、すぐに理解するというのは難しいかもしれませんが、この頃から伝えることで今後につながっていきます。また、「〇〇ちゃんが大事だからだよ」「けがをしてほしくないからだよ」と親御さんがお子さんを大切に思う気持ちも添えてあげると良いですね。
最後に、どうしてもお子さんたちは遊びたいという気持ちが大きくなることもあると思います。その時は、まずは遊びたいという気持ちを一度受け止めてから、ご家庭のルールを伝えるようにしましょう。自分の気持ちをわかってくれるという安心感があると、次のステップに繋がります。そして、ルールを守ることができたら、お子さんをたくさん褒めることで、お子さんの社会生活をおくるための力が大きく育まれていくことと思います。
アドバイスをいただいたのは…
佐藤 晃子 先生
青森県出身。専門は公衆衛生看護学。看護師・保健師。現東北福祉大学健康科学部助教、同次世代育成支援室母子保健部、保健師。2児の母。
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