おもちゃを購入するタイミングと「我慢」の教え方
3歳の息子は、祖父母から買ってもらったりしてオモチャをたくさん持っているのに、お友だちが持っていたりテレビで見たオモチャをすぐほしがります。
ものによってはすぐ飽きてしまうのですが、誕生日やクリスマス以外ではどういうタイミングでオモチャを買い与えたらいいのでしょうか。また我慢させるとき、どうしたらいいかも教えてください。
3歳は周りのお友達に興味をもち、オモチャを媒介にしながら少しずつ一緒に関わりをもって遊べるようになる時期でもあります。自分でできることが増えてきて、好奇心も益々旺盛になり、それまでのように身近にあるものを手に取って遊ぶというよりは、自分の興味がわいたもので遊び始めます。お友達のもっているものやテレビで見たオモチャを何でもほしがられると、親としては少々困ってしまいますが、まずは息子さんが年齢相応に順調に成長なさっていることは、ご安心下さいね。
子どもは遊びを通して、創造力や知的好奇心、探求心だけでなく、思うようにいかないこともあること、相手への思いやりや折り合いのつけ方といった社会性など、様々なことを学んでいきます。そのため、遊ぶことが子どもにとっては一番の学びであり、生きていくために必要な力が遊びを通して培われていきます。また、オモチャは子どものそうした力を引き出し、発達を促すための道具です。そのため、お子さんの年齢、発達に適した物、遊びが多様に広がる物を用意してあげることが大切です。すぐに飽きてしまうのは、面白そうにみえたけれど、そのオモチャがお子さんの発達にあわないものだった(難しかった、簡単すぎた)、あるいは遊びの幅が広がらないものだったからかもしれません。
そこで、オモチャの購入は、お子さんの成長や発達に応じたタイミングや種類をご検討なさることをお勧めします。例えば、3歳は、指先が少しずつ器用になり、物をつくったり組み立てたりすることができるようになったり、性別によって選ぶオモチャが異なってくる時期でもあります。また、貸し借りや順番、約束が少しずつわかる年齢でもあるので、ルール性のあるゲームなどでも遊べるようになります。お子さんのこうした変化や成長に応じて段階的に、新しいオモチャを購入するタイミングを見定めてみてはいかがでしょうか。
また、オモチャの購入を我慢しなければならないのはわかるけれど、ほしい気持ちが勝り、その折り合いのつけ方がまだ難しいお年頃でもあります。そのため、「お家にたくさんオモチャがあるから」だけではなく、「お家にあるオモチャでこんな遊びをしてみない?」「一緒にこんな風に遊びたいな」、と誘ったり提案して、まだ別の魅力的な遊び方があることを伝えてみましょう。嫌々我慢するというより、そっちの方がおもしろそうだから我慢してみよう、と思えるような「我慢」の教え方をおすすめします。遊んでみたい、使ってみたいという好奇心がたくさん芽生えるものの、お子さんの力だけでは、自分の「できる」にあった物を選んだり、色々な遊び方を発見することが難しい年齢で、そこには大人の手助けが必要です。また、大人が子どもと一緒に楽しんで遊んだり、時には遊びが発展するようなヒントやアイデアを出すことで、子どもの意欲や試行錯誤する力が育まれます。さらに、我慢することや根気強さ、集中力等も、遊びを通して養うことができます。今あるオモチャでの遊び方の工夫を提案しながら、お子さんの様々な力を引き出してみて下さいね
アドバイスをいただいたのは…
高野 亜紀子 先生
青森県出身。専門は子ども学。社会福祉士。現東北福祉大学総合福祉学部講師。2児の母としての経験を生かしながら、子育て支援、保護者支援、保育者養成に関する実践・研究活動を行っている。
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