何事にも飽きっぽい息子が心配…
5歳の息子のことでご相談です。おもちゃでも通信教育の教材でも、最初は夢中になるのですが、すぐに飽きてしまったり、ちょっと上手くいかないと簡単に諦めてしまいます。
このまま大きくなると、勉強でも部活でも長続きしないのではないかと心配です。どうしたら最後まであきらめずに、頑張ってくれるようになるでしょうか。
先の見通しがつかないと目の前のお子さんの気になる様子から、少し先の将来まで心配になってしまうお気持ち、とても良くわかります。けれど質問者さんのお子さんは、まだまだ新しい発見、初めてのできごとが多いお年頃です。何に対しても臆することなく好奇心をもつということは、これから自分の世界を広げていくうえで望ましい発達を遂げている証拠ですので、安心して下さいね。私にはむしろ、チャレンジ精神が豊かで頼もしいお子さんのようにもお見受けしました。
好きなものに対しては、大人も子どももとことん集中力を発揮するかもしれませんが、小学校に入る前のお子さんの場合、集中力が続く時間は、一般的に、年齢プラス1分とも言われています。また、活動の最中に何か他におもしろそうなことを見かけると、そちらが気になって、もともとの活動に集中できなくなってしまう、という特徴もみられます。例えば、幼稚園の朝の会の最中に、窓から飛行機をみつけた途端、飛行機に夢中になり、朝の会どころではなくなってしまう、といった具合です。色々なことに興味をもつことは決して悪いことではありませんので、そういった好奇心を大切にしつつも、活動に集中してもらう準備として、まず、環境を整えてみましょう。子どもが他に気を取られそうなものは予めしまっておくなどの物理的な配慮や、大人も一緒に遊びながら、「これってすごく楽しいね!」という「雰囲気」を作り出すことも大切です。また、同じおもちゃでも違う遊び方ができることを大人が子どもに示してあげることで、子どもが意外性という新しい発見をし、もっと遊びたくなる気持ちを育むことができます。このように、子どもが楽しい、やってみたいと思えるような雰囲気、仕掛けづくりをすることで、遊びの面白さに子どもを引き込むことができます。そのことが、もっと違う遊び方はないか、こんな風にしたらどうだろうと、自分で遊びを発展させる力、遊びに夢中になるきっかけにつながるのではないかと思います。
ちょっとうまくいかないと諦めてしまうことに関しては、最初からうまくいかなくても大丈夫なことをまずは伝えてみましょう。また、チャレンジした気持ちを認めてもらったり、小さな変化、成長を一緒に喜んでもらうことで、うまくいかなかったけどやってみて良かった、次はもうちょっと頑張ってみようかな、という気持ちに繋がります。子ども自身が、できた喜び、達成感を感じ、やる気に繋げられるように、その子に合わせたその子なりのスモールステップを大人が用意してあげることも、大切なポイントです。
質問者さんのお子さんは、様々なことに自ら興味をもって取り組む強さを持っていらっしゃいますので、質問者さんが蒔いて下さったたくさんの種の中から、お子さんの「やりたい」が続く何かが必ず芽吹くことと思います。今はまだ焦らずに可能性を見守って下さいね。
POINT!
色々なものに興味をもつことは決して悪いことではありません。同じもので違う遊びができることを示したり、他に気を取られそうなものは予めしまっておくなど、子どもが夢中になる雰囲気や仕掛けづくりをしましょう。
アドバイスをいただいたのは…
高野 亜紀子 先生
青森県出身。専門は子ども学。社会福祉士。現東北福祉大学総合福祉学部講師。2児の母としての経験を生かしながら、子育て支援、保護者支援、保育者養成に関する実践・研究活動を行っている。
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