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2歳半の息子の癇癪…いつまで続くの?

2歳半になる息子の癇癪(かんしゃく)に困っています。
ちょっと気に入らないことがあるとすぐ癇癪を起こし、外出先でもひどい時には地べたに寝転がって泣きわめいたりします。周りの子のイヤイヤ期とはちょっと違うような気がするのですが、キレやすい子どもなのでしょうか。
どうやってなだめたらいいのか、いつまで続くものなのか教えてください。

2歳半の息子の癇癪…いつまで続くの?



 お子さんの癇癪(かんしゃく)についてのご相談ですね。ひどい時には地べたに寝転がって泣きわめいたりするとのことですが、たしかに癇癪を起こしたときの典型的な行動とお見受けしました。癇癪ですと、ほかに、物を投げたり自分の頭をぶつけたり、周りの人を殴ったり蹴ったりというお子さんもいたりします。

 さて、どうも「ちょっと気に入らないことがある」というのが癇癪の引き金のようですが、何か起こりやすい場面の傾向は思い浮かびますか?一般的には、「本人は公園でもっと遊びたいのに、途中でやめて帰ろうと言われた」、「スーパーに買いものに行き、お菓子がほしかったのにダメと言われた」等、本人にとって不都合な出来事が引き金になることが多いと言われています。そして、そのような出来事に直面した際、子どもたちは、それを何とかするために、癇癪という行動を起こすのだそうです。そして、癇癪を起こすと何かいいことがある、たとえば「お菓子を買ってもらえた」というような経験が積み重なることによって、それが定着してしまうこともあるようです。

 これらのことを踏まえ、お子さんへの対応を考えてみたいのですが、まず念頭におきたいのは、癇癪は、いざ始まってしまうと、本人もそれを抑えることができず困っている場合があるということです。お子さんは2歳とのことですが、おそらくまだ言葉は単語が中心で、自分の気持ちを伝えることは難しい年齢だと思われます。そのため、その伝えきれない気持ちを行動で示しているのでしょう。癇癪は、人目につきやすく、また親としても対応に苦慮することが多いので、それを抑えようと叱りつけてしまったり、逆に子どもに何か物を与えてみたり、さらには子どもを「困った子」とみなすようになってしまったり、子育ての自信がなくなったりということが起こりやすいです。できれば、そのような悪循環に陥らないためにも、癇癪を「子ども自身が困っているサイン」と受け止め、そういうことが「起こらないための工夫」と「起こった時の工夫」を組みあわせていけるといいですね。

 そして、まず「起こらないための工夫」ですが、見通しを立てて、次の行動を想像できるような言葉をかけるということを提案します。先ほどの例ですと「滑り台をあと5回したら、おうちに帰ってご飯を食べようね。」などと言い、一緒に回数を数え、カウントダウンしてあげるといった感じです。次に「起こった時の工夫」ですが、念頭におきたいのは「クールダウン」です。まずは、お子さんの安全を確保し怪我を防ぐことが優先されますが、その後は、お子さんの「クールダウン」を助ける対応、たとえば、癇癪が起こっている間は必要以上にかまわない、場所を移すなどして落ち着くまで待ってあげる、落ち着いたら褒めてあげる、ということを意識してみてください。そして、合わせて覚えておいていただきたいのは、親の側も「クールダウン」が必要ということです。もし怒りがこみあげてくるようであれば、「6秒」のカウントダウンが効果的と言われています。数を数えながら心が静まるのを待ち、その後、困っているであろうお子さんに対応してあげてください。

 最後に、キレやすい子なのか、いつまで続くのか、という点についてですが、そもそも、子どもたちの「言葉で伝える力」、「自分の感情をコントロールする力」、「自分と他者の考えをすり合わせる力」などには差がみられるため、癇癪の頻度や程度、時期に差があるのは自然なことかと思います。ただ、それが個性の範囲内の場合もあれば、発達上の課題が影響している場合もあるだろうというのが私の見解です。もし、後者の場合は、よりそのお子さんに合わせた対応の工夫が必要になります。お子さんの様子をご覧になっている中で、不安が高まったり、対応に苦慮されたりという場合は、どうぞ保健センターや子育て支援センター等で相談してみてください。親御さんのお話も聞きながら、一緒に対応を考えていただけると思いますよ。


POINT!
癇癪は子どもが困っているサインです。癇癪を起こす前に次の行動を想像できる言葉をかけたり、起こった時は落ち着くまで待ちましょう。親側にもクールダウンは必要です。心が静まるのを待ってから対応してください。


アドバイスをいただいたのは…
下山田 鮎美 先生

山形県出身。専門は公衆衛生看護学。看護師・保健師。
現東北福祉大学健康科学部准教授。2児の母であり、当事者としての視点を大切にしながら子育て支援の活動を行っている。博士(都市科学)。



  

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