子どもにスマホを持たせるにあたって
小学校5年生の息子には、コロナ禍で学校が休校になった時からスマホを持たせています。
使い方や時間などを決めて持たせたのですが、お友だちとのLINEグループができたり、ステイホームの時間をゲーム機で過ごしたり、さらに学校や通信教育でタブレットを使うようになり、いつの間にかそういった機器に触れる時間が増えていました。
スマホは子どもの脳に良くないとも聞きますが、スマホだけでなくそういったメディアと上手く付き合うコツを教えてください。
コロナ禍の休校などでお子さんの所在が心配なことからスマートフォンを持たせるご家庭も増えてきていると思います。また、コロナ禍で以前のように外出ができない状況から、ゲームやタブレット、スマートフォンなどのメディアを使用する時間が増えると、親御さんとしては心配になってきますよね。今回はメディアとの付き合い方について考えてみたいと思います。
まず小学生のメディアの使用状況をみてみましょう。内閣府が行った、青少年のインターネット利用環境実態調査1)によると、小学5年生の1日のインターネットの利用時間は平均すると約130分で、(ゲームや動画視聴だけでなく、コミュニケーションや勉強に使用している時間も含む)この時間は年々増加傾向にあるようです。
次にスマートフォンや携帯電話と学習との関係を見てみましょう。学習意欲の科学的研究に関するプロジェクト2)によると、スマートフォンや携帯などの使用時間に応じて数学の成績が低下する(調査対象は中学生)という結果が見られ、スマートフォン等の使用時間は、1日1時間以内に抑えるべきだと報告されています。このような調査結果から、メディアとの付き合い方については、適切に身に付けてもらえるような取り組みが必要なようです。
では、実際にどのような付き合い方が良いのか考えてみたいと思います。内閣府が保護者に行った調査1)によると、大人の目の届く範囲で使わせている、利用する際に時間や場所を指定している等一定のルール決めを行っているようです。このように、お子さんがメディアを使用する際にはルール決めが大切で、Sさんの質問の中にある「使い方や時間などを決めて持たせた」というルールはとてもよい内容と思います。しかし、私も体験しているのですが、学習面での使用時間が増えたり、日々の生活の中で少しずつルールが曖昧になること等で、いつの間にかメディアの使用時間が長くなってしまうことがありますよね。そのような時には、決めたルールを定期的に再確認してみてはいかがでしょうか。ルールが守れなかった理由をお子さんに考えてもらい、ルールを守れるようになるためにはどうしたら良いかをお子さん自身で考えることも大切なことと思います。例えばメディアの使用時間を1時間と決めていたのであれば、なぜ1時間というルールを決めたのかを振り返ることで、1時間という時間の使い方を一緒に話し合えると思います。このように定期的に振り返りの時間を持つことで、自分自身の行動を振り返り、今後自分がどのようにしていくと良いかを考える力が養えるようになるとよいですね。
また、小学5年生ですと思春期が始まり、親御さんの声がけを素直に受け入れられないお子さんもでてくるかと思います。そのような時には親御さんだけで抱えるのではなく、お子さんが話しやすい相手の方(兄弟や習いごとの先生等)とメディアについて話せる機会を増やしても良いかもしれませんね。是非各家庭でお子さんと一緒に、定期的にメディアの使い方について話し合える時間を持ってみて下さい。
【引用資料】
1. 内閣府:令和元年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 子供のインターネットの利用状況
2. 仙台市ホームページ:学習意欲の科学的研究に関するプロジェクト
アドバイスをいただいたのは…
高田 昭 先生
福島県出身。専門は精神看護学。精神看護専門看護師、保健師、公認心理師。
現東北福祉大学健康科学部助教。2児の父。
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