姑が息子にカップラーメンを与えるのをやめさせたい
4歳の息子に、まだ1歳の頃からお姑さんがインスタントラーメンを与えてきました。健診の度に食事を改善するよう保健師さんから言われていました。思い切ってカップラーメンを与えないでほしいとお願いしたところ、その時はわかったと言ってくれたのですが、またすぐインスタントラーメンを与え、「カップに入ってないラーメンならいいでしょ」と言われてしまいました。何か良い解決策はないでしょうか。
カップラーメンやインスタントラーメン(以下、ラーメンと表記します)は、お湯を入れるだけで食べることができるため、活用しやすいのかもしれません。お子さんがお姑さんにお世話になっていると、やめてほしいことをなかなか強く言いにくいですよね。まずはできそうなことから一緒に考えてみたいと思います。
お子さんがラーメンを食べるとき、お姑さんも一緒にラーメンを食べていることが多いもしれません。ラーメンを食べる機会が多いということは、お子さんももちろん、お姑さんの健康にも影響がありますので、「私は、お義母さんの体も心配です」と、伝えることができるとよいかもしれませんね。 日本人が食塩を摂りすぎている原因となっている食品は、1位がカップ麺で、2位が袋入りのインスタントラーメンであると発表されています。ラーメンのスープを飲み干すと5g以上の塩分を摂ることになります。厚生労働省が発表している日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、1日の塩分量は、大人の場合は男性が7.5g未満、女性は6.5g未満で、3~5歳では3.5g未満が目標量とされています。お子さんが、ラーメンのスープを飲み干してしまうことは少ないかもしれませんが、1日に必要な塩分以上の量をラーメンで摂ることになりますね。大人にとっても1日の塩分量の半分以上を摂ることになります。塩分を多く摂ることによって、血圧が高くなると言われています。血圧が高い状態が続くと、血管や心臓に負担がかかり、脳や心臓の病気が起こりやすくなります。子どもは、大人と比べて内臓が発達の途中ですので、大量の塩分を摂ると、身体に負担がかかってしまいます。そのため、1日の食塩摂取基準量が大人の半分になっています。他にも、子どもは濃い味を覚えてしまうと、その後も濃い味付けを好むようになると言われています。お子さんは、これから長い間食事をしていくため、いつも濃い味付けになると、血圧が高くなる可能性が高くなり、脳や心臓などの病気が起こりやすくなるかもしれません。さらに、5歳の頃にインスタントラーメンを週に3回以上食べているお子さんは、ほとんど食べないお子さんより肥満になりやすいという報告もあります。お子さんの体の健康とお子さんの将来を伝えることで、お姑さんがラーメンの体に与える影響を理解してくださるかもしれませんね。
次に、ラーメンを食べさせるときの工夫をお姑さんに伝えられればと思います。ラーメンを食べさせる時には、粉末等のスープを入れる量を少なくする、または、お湯の量を多めにするなどを行い、ラーメンの塩分の量を少なくする工夫ができるとよいと思います。他にも、野菜は、塩分を体の外に出す手助けをしてくれるため、手をかける余裕がある際には、炒めたり茹でたりした野菜を入れるとよいですね。また、ラーメンを食べた日は、他の食事では、なるべく薄味の味付けにできるとよいかもしれませんね。
今回のことをきっかけにしていただき、ご家族で食事について話をする機会を作ることができるとよいですね。
POINT!
インスタントラーメンを一緒に食べているお姑さんの健康も心配だということを踏まえた上で、その塩分がいかにお子さんの将来に悪影響を与えるか理解してもらえるように伝えられたらいいですね。
アドバイスをいただいたのは…
渥美 綾子 先生
山形県出身。専門は公衆衛生看護学。看護師・保健師。保健師の経験を経て、看護師・保健師の教育に携わるようになる。現東北福祉大学健康科学部講師、同次世代育成支援室母子保健部、保健師。
関連記事
子育ての悩みを相談したい方はこちらから