ままぱれ

感染症の予防・薬について

これからの季節、いろいろな感染症が気になります。
子どもだけでなく、まわりの大人が気をつけること、安心して使えるウイルス除去の方法や、風邪や病気になってしまった時に薬を上手に飲む方法など教えてください。

感染症の予防・薬について



 10月の半ば頃から一気に秋めいてきましたね。寒暖差も大きく、感染症が気になりはじめる頃でもあると思います。

 さて、まず感染症を予防するための方法ですが、薬局等にはウイルス除去に効果があるという商品も市販されてはいます。その効果についてはいろいろな見解があるようですので、使用の是非についての意見は差し控えますが、その使用に関わらず、感染症を予防するためには、「感染源」「感染経路」を断ち、「感染する側の条件」を整えることが必要と考えられています。

 一つ目の「感染源」については、細菌とウイルスの2種類がありますが、これらを取り除くことを考えます。例えば、感染している人は別室で過ごすこと、感染しているものをビニールで覆うこと、感染源を洗い流したうえで熱湯や消毒薬(ノロウイルス、ロタウイルスは次亜鉛素酸ナトリウム)で消毒を行うこと、抗生物質を処方どおりに飲むこと(細菌のみ効果あり)などが当てはまります。二つ目の「感染経路」については、泡立てたせっけん液での手洗い、うがいを行うこと、マスクを使用することなどが当てはまります。そして三つ目の「感染する側の条件」ですが、予防接種を行うこと、規則正しい生活を送ることにより、免疫力を高めることなどが当てはまります。これらは子どもだけでなく大人側にも当てはまる内容ですので、家族全体で心がけていくことで感染のリスクを低くすることができます。お子さんの場合、1歳前後ですと手洗いは大人と一緒に行うのが確実ですが、それを繰り返していると2歳ごろを過ぎると自分でもできるようになります。うがいは3歳ごろになると自分でできる子が増えてきます。手洗いの歌を歌ってみたり、CMのキャラクターの力を借りて誘ってみたり等の工夫も効果的ですが、最終的には自分自身で意識してできるようになることがゴールになりますので、なぜそうすることが大切なのか、繰り返し教えてあげてください。

 つぎに上手に薬を飲む方法ですが、お子さんが小さいうちはシロップや粉薬、大きくなり錠剤やカプセルが飲めるようになればそちらに切り替わっていくことになります。粉薬であれば、少量の水を加え練ったものをスプーンで飲ませるという方法もありますが、最近は粉薬、錠剤・カプセルを問わず、ゼリーでお薬を覆うタイプの商品も市販されています。薬の中には、味や風味が独特でお子さんが苦手とするようなものもありますが、これらのゼリーには、薬の特徴を踏まえ、いくつかのバリエーションが設けられていますので、上手に活用していけるとよいでしょう。なお、薬の中には、抗生物質のように細菌を殺す薬もありますが、その多くは症状を和らげることを目的としたものになります。薬を飲むことで回復を助けることはできますが、十分な休養があってこその回復です。私たち大人は、それをわかっていながらも、薬を飲んで働き続ける(休めない)ことが多いですね。子どもたちの場合、特に集団生活の中では、自分の体調に合わせて活動を調整することが難しく、他のお子さんへの感染の可能性もでてきます。家族や病後児デイサービス等の制度の力も借りながら、落ち着いた環境で過ごせるようにしてあげたいものですね。


POINT!
お子さんが自分自身で意識してうがい・手洗いができるように、その大切さを繰り返し教えましょう。薬を飲むのはもちろん、家族や制度の力を借りて落ち着いた環境で過ごせるようにしてあげたいですね。


アドバイスをいただいたのは…
下山田 鮎美 先生

山形県出身。専門は公衆衛生看護学。看護師・保健師。
現東北福祉大学健康科学部准教授、同次世代育成支援室 母子保健部、保健師。2児の母であり、当事者としての視 点を大切にしながら子育て支援の活動を行っている。博士(都市科学)。



  

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