ままぱれ

子どもがマスクを嫌がる場合

4歳の娘がマスクを嫌がります。大人でも煩わしいのだから無理もないのですが、どうしたらつけてくれるでしょうか。
これから暑くなってますます嫌がるだろうと思うと、可哀想ですがどうしようかと悩んでいます。また、マスクをしてくれない場合はどんなコロナ対策がありますか?

子どもがマスクを嫌がる場合



 新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、厚生労働省は「新しい生活様式」を発表しました。そして、感染防止の3つの基本のひとつとして「マスクの着用」を挙げています。そのこともあり、大人だけでなく、マスクをつけた子どもたちもたくさん見かけるようになりました。きっと子どもたちなりに、新型コロナの感染が広がらないよう、がんばっているのでしょう。

 さて、お子さんがマスクを嫌がっておられるのですね。大人でも煩わしいのだから、と思うものの、多くの人がマスクを着けている中、わが子がマスクを嫌がったり、つけなかったりすると、これはどうしたらいいものかと思ってしまいますね。そこで、対応を考える際の参考として、日本小児科学会(※1)の「乳幼児のマスク着用の考え方」を紹介しようと思います。

 この「マスク着用の考え方」には、「子どもがマスクを着用する場合は、いかなる年齢であっても、保護者や周りの大人が注意することが必要です。感染の広がりの予防はマスク着用だけではありません。保護者とともに集団との3密(密閉、密集、密接)を避け、人との距離(ソーシャル・ディスタンス)を保つことも大切です。」との記述があります。意外かもしれませんが、マスク着用を積極的には勧めていないのですね。そして、その理由として、乳幼児は正しくマスクを着用することが難しいため、感染の広がりを予防する効果はあまりないこと、むしろマスクによる危険性として、窒息の危険性、熱中症のリスク、体調異変の発見の遅れ、が挙げられています。

 また、本来のマスクの使用目的は、感染している側のくしゃみやせきなどに含まれるウイルスが、相手まで飛ばないようにすることです。つまり、それができれば、必ずしもマスクである必要はなく、ハンカチやティッシュ、あるいは何も無ければ腕の内側で口を覆うという方法もあるといわれています。いわゆる「咳エチケット」というものですね。4歳児さんということですので、ぜひこの「咳エチケット」について、説明してあげてほしいと思います。

 さらに、お子さんのコロナ対策としてマスク以上に重要なのは、手洗いです。私たちが触るいろいろなものにウイルスがくっついているという前提で、石鹸をしっかり泡立てて、丁寧に手洗いをすると、ウイルスが体の中に入る前に洗い流してしまうことができます。今、いろいろな手洗い動画が見られるようになっていますので、それらの中からお気に入りを見つけてみてもいいでしょう。たとえば、4歳児さんだと「おねがいおねがい、かめさん、かめさん」ではじまる「あわあわ手あらいのうた(※2)」あたりがちょうどいい感じかもしれません。

 以上、マスクの使用と手洗いについてお話ししてきました。子どもたちは、理由がわかり、するべきことがわかると、大人以上に一生懸命に取り組むようになります。マスクをする・しないにこだわることなく、いろいろな話をしながら、ぜひ感染予防チームの一員になってもらいましょう。

(※1)公益社団法人 日本小児科学会
(※2)花王


POINT!
お子さんのコロナ対策は、マスク以上に手洗いが重要になります。子どもたちは手洗いの理由とすべきことがわかれば、大人以上に一生懸命に取り組みます。いろいろ親子で話しながら予防に努めてくださいね。


アドバイスをいただいたのは…
下山田 鮎美 先生

山形県出身。専門は公衆衛生看護学。看護師・保健師。現東北福祉大学健康科学部准教授、同次世代育成支援室母子保健部、保健師。2児の母であり、当事者としての視点を大切にしながら子育て支援の活動を行っている。博士(都市科学)。



  

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