地震について子どもにどう伝える?また地震後の心のケアについて
2月に大きな地震がありました。地震を知らない子どもへ怖い印象だけではなく、こんな時どうする?などと分かりやすく伝える方法が知りたいです。
今回の地震で我が家の子どもも少しPTSDのような症状があり、大人から離れることができなくなりました。メンタルケアなども教えてほしいです。
はじめに、地震が起こったときの対処について、お子さんに伝える方法についてです。どの年齢のお子さんへもお勧めなのが、防災絵本や紙芝居の読み聞かせをすることです。絵本などのイラストなどを見ることでお子さんが地震の様子などをイメージしやすくなり、どのように行動すればよいのか理解しやすくなります。「ぐらぐらゆれたらだんごむし(※1)」という絵本は、地震が起きた時、どのように身を守るとよいのかを動物のイラストを用いて説明しています。文字が少なくかわいいイラストで描かれていますので、年齢が低いお子さんでも読みやすい本です。「ガタガタ村と大ナマズ(※2)」は、地震が来る前に何ができるのか、何をしておく必要があるのかが描かれています。他にも地震や災害をテーマにした絵本や紙芝居がありますので、図書館等で探してみていただくとよいですね。ゲームのルールがわかるようになってくる4・5歳頃からのお子さんでしたら、防災かるたやすごろくなどで遊ぶのも一つの方法になります。地震だけでなく、自然災害や交通安全の内容を含むものですが、全国労働者共済生活協同組合連合会のホームページ(※3)で防災カルタを紹介していらっしゃり、ダウンロードができるようになっています。
次に、お子さんのメンタルケアについてです。地震などの災害を経験したお子さんには、「いつもより元気がない」、「イライラしたり興奮しやすくなる」、「日頃していた好きなことをしなくなる」、「災害のことばかり気にする」、「怖い夢を見る」、「眠れない」、「頭やお腹が痛いなどの体の不調が現れる」、「お父さんやお母さんから離れたがらず甘える」などの様子が見られることがあります。お子さんがこのような行動や様子を示すことは自然なことと言われています。このような様子が見られたときには、お子さんに安心感を与えてください。具体的には、いつもより意識して親御さんや周りの大人が一緒にいる時間やスキンシップを増やし、家族で一緒に楽しく遊ぶ時間などを持っていただければと思います。また、お子さんが話をしたときは、途中でさえぎらずに耳を傾けてください。何度も「地震、こない?」と聞いてくるかもしれません。何度も聞くのは、お子さんが不安を言葉に出せているということになります。「今はもう大丈夫だよ」「地震が来るかどうかは、お母さんにもわからないけれど、みんなで守るから大丈夫だよ」と、お子さんが安心できるような声をかけてあげてください。お子さんの様子が数週間たっても変わらない場合には、専門家の手助けが必要となる場合があります。まずは、かかりつけ医にご相談をしていただければと思います。
※1:ぐらぐらゆれたらだんごむし/国崎信江/東京書店
※2:ガタガタ村と大ナマズ/山王3・4丁目自治会/Z会
※3:こくみん共済防災かるた
POINT!
今年2月にあった地震は、夜に起こりましたね。お子さんは眠っていたと思いますので、緊急地震速報の音と地震の揺れにお子さんが驚かれたことと思います。地震はいつ起こるかわかりませんので、地震への備えを日頃からしておけるとよいですね。
アドバイスをいただいたのは…
渥美 綾子 先生
山形県出身。専門は公衆衛生看護学。看護師・保健師。
保健師の経験を経て、看護師・保健師の教育に携わるようになる。現東北福祉大学健康科学部講師。
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