一人で行動できない弱気なまま成長しそうな小学2年生の息子が心配です
小学2年生の息子は、学校では特に問題なく過ごしているのですが、私がいないと嫌だと言って子ども会や児童館のイベントなど、子どもだけで参加するようなものに行きたがりません。
そろそろ他の学年のお友達とも積極的に関わってほしいのですが、そういう気がないようです。
今後、一人では行動できない弱気なまま成長しては本人が困ると思うのですが、どうしたらいいでしょうか。
小学2年生の息子さんが、子ども会や児童館の子どもだけで参加するイベントなどに行きたがらないのですね。相談者さんもご存じのとおり、仙台市内には多くの幼稚園や保育園があります。さらには転勤族の方も多くお住まいになっています。このことから、入学や転入を機に、これまで知り合いとは限らない子どもたちが、同じ小学校に集うことになります。そして、同じクラスで共に過ごすなどしているうちに仲間が増え、学年が上がるごとに、その輪が広がっていくのが一般的な様子です。息子さんは、学校では特に問題なく過ごしているということですので、きっと入学してから1年間の間に、先生やお友達との仲も深まり、ひとりで行動できることも増えてきたのでしょう。そのような様子をご覧になっているからこそ、相談者さんは子ども会や児童館のイベントにひとりで参加しようとしないことに戸惑っておられるのかもしれませんね。
さて、息子さんが子ども会や児童館のイベントについて「お母さんがいないと嫌だ」と気持ちを伝えているということは、きっと何か理由があるのでしょう。このような場合、私が提案したいのは、まずは「お母さんがいないと嫌だ」という気持ちを「そうなんだね、嫌なんだね」と受け止めるようにするという対応です。そうすることによって、お母さんは自分の気持ちを分かってくれるという安心感が生まれ、気持ちを伝えてみようと思うようになります。次に、「嫌だ」という言葉にはいろいろな意味が含まれている可能性があります。お子さんが気持ちを伝えてくれた時は、会話にでてくる「嫌だ」という言葉の塊をほぐしていけるといいですね。例えば、「一人ぼっちになるから嫌だ」、「上の学年の子どもたちと一緒は緊張するから嫌だ」、「どうしたらいいか分からないから嫌だ」など、いろいろな「嫌だ」が想像されます。たしかに、子ども会や児童館のイベントですと、異年齢の、これまで関わったことがない子どもたちが一堂に会するものも多いので、特に低学年のお子さんの場合、気おくれしてしまうことがあります。話を聞く側も、イベントの様子を想像しながら、お子さんの気持ちに耳を傾け、そして、本当はどうしたいのか尋ねてみましょう。本当は行ってみたいと思うようであれば、どこまでサポートすれば安心か、お子さんと相談してみるといいですね。児童館であれば、指導員の方の力を借りるという方法もあります。でも、やっぱり嫌だと思うようであれば、“今”のその気持ちを尊重し、“今年は”撤退を支持してあげるのがよさそうに思います。
また、相談者さんが気にしておられる今後の見通しについてもお伝えしておきますね。子どもたちは、これから先、どんどん仲間を求める気持ちが高まってきます。それに伴い、仲間同士で行動することを好む時期がきます。そして、緊張したり、不安に思ったとき、その支えになる存在が、次第に親から仲間へと移っていきます。「○○くんから誘われたから行く」「△△ちゃんと一緒だったら楽しそう」というようなことがきっかけとなり、自分で出かけることも増えていくことでしょう。また、子ども本人の関心事にイベントの内容がぴったりの場合は「それに行ってみたい」と思う気持ちに背中を押されることもあります。
小学生時代は、子どもたちが自立に向けてダイナミックに変化するとても面白い時代です。しかし、実際のそれを見守る側に立つと、時にハラハラしたり心配になったりするのは、ごく自然なことだとも思います。そのようなときは、ぜひ同じ立場の親御さんたちともお話をしてみてください。仲間との助け・助けられる関係性の中で、親としても育っていけるといいですね。
アドバイスをいただいたのは…
下山田 鮎美 先生
山形県出身。専門は公衆衛生看護学。看護師・保健師。現東北福祉大学健康科学部准教授。
2児の母であり、当事者としての視点を大切にしながら子育て支援の活動を行っている。博士(都市科学)。
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