ままぱれ

1番にこだわる年中の息子。負けたくないからと競うこと自体を拒み…。

正義のヒーローに憧れ、戦いごっこが大好きな4歳の年中の息子がトランプのババ抜きを覚え、家族で楽しんでいたのですが、1番になりたい息子は、負けると声を荒げたり泣いたりして不機嫌になるので、その都度なだめたり、わざと負けたりしていました。
対策として、勝ち負けにこだわらず楽しもうという絵本を、ババ抜きの例をあげながら読んであげました。
絵本は気に入ったようで何度も読み聞かせしましたが、ちょうどその辺りからババ抜きをしたいと言わなくなりました。
理由を聞くとやっぱり負けるのは嫌だからとのことです。
私達が伝えたかったことが、せっかく芽生えた「負けず嫌い」という子どもの気持ちに悪影響を及ぼしたのではと心配になっています。
今後、園や学校などでも順位がつくものは必ずあります。勝ち負けについて(特に幼児)どのように伝えていったら良いのでしょうか。アドバイスをお願いします。

1番になりたい3歳児



 今回はお子さんの「1番になりたい」気持ちや、「勝ち負けについて」どのように伝えていけばよいのかについて考えてみましょう。

 まずお子さんは、どうして1番にこだわるようになるかということを考えてみます。4~5歳頃になると勝ち負けの意味が分かってくることや、数の知識がついてくることで1番になるとかっこいい、嬉しいという気持ちになり、勝つことや1番にこだわることが多くなると考えられます。

 しかし、常に勝ち続けることや、1番を取り続けることは難しいですよね。質問者さんは、1番になりたいと思うお子さんの考えを踏まえながらなだめたり、絵本を使ってお子さん自身が自分の感情を振り返れるようにしたりと、お子さんの気持ちを出しやすくする関わりができていて素晴らしいと思います。質問に「勝ち負けについてどのように伝えていったら良いのでしょう」とありましたので、他の伝え方も考えてみたいと思います。

 まずは絵本の内容のように、勝つのも負けるのもどちらも大切であること、負けても本気で取り組むことや、頑張ったことは素晴らしいことなど、勝つ以外の部分にも大切なことがあることを伝えてみるのは良いですね。また、相手の気持ちを汲み取ることや、他の人と自分の考えが違うことを少しずつ理解できるようになるのは4歳~6歳頃といわれております。そのため、自分以外の人の思いを想像しやすくするために、質問者さんのお子さんが勝つということは、他の人は負けてしまうということ、負けてしまった人の気持ちはどうかな?などと、相手の気持ちを考えてみる声掛けをすると勝ち負けの考え方が広がり、お子さんの成長につながるかと思います。

 ここまでさまざまな伝え方を考えていきましたが、一番大切なのは質問者さんが行っているように、お子さんの「悔しい」「1番になりたい」という思いを受け止めて、お子さんの気持ちに寄り添った関わりをすることです。自分の気持ちを受け止めてもらえたと感じたお子さんは、安心感が持てますので、これがこころの成長につながると思います。


POINT!
一番大切なのはお子さんの思いを受け止めて、その気持ちに寄り添った関わりをすること。自分の気持ちを受け止めてもらえたと感じたお子さんは、安心感が持てますので、これがこころの成長につながると思います。


アドバイスをいただいたのは…
高田 昭 先生

福島県出身。専門は精神看護学。
精神看護専門看護師、保健師、公認心理師。
現東北福祉大学健康科学部助教。2児の父。



掲載年月/2024.05

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