近ごろ口ごたえをするようになった子どもが心配…
年長さんの息子、最近やたらと口ごたえするようになり、注意しても言うことを聞いてくれません。
もうすぐ小学校に入るのに、先生やお友だちにもこんな態度だと嫌われないか心配です。
特に思い当たることはないのですが、何か理由があるのでしょうか。どう接したらいいか教えてください。
もうすぐ小学生になるお子さんの口ごたえ、注意しても言うことを聞いてくれないと、これから大丈夫か心配になりますよね。どうして口ごたえをするようになってきたのか、子どもの言語と社会性の発達面から一緒に考えてみたいと思います。
少し前の4歳の頃は、語彙力がぐっと増え、助詞や接続詞を使って、自然な表現で話せるようになる時期と言われています。この頃は、まだ自分が考えたことや気持ちを伝えることが中心になります。社会性では、相手の気持ちがあることがわかり、譲りあいをしたり、許し合いをしたりと、お友達の気持ちを汲みながらコミュニケーションをとることができる時期になります。年長さんの5、6歳になると、自分で考えたことを相手にわかるようにと説明するようになります。また、「何して遊ぶ?」などお友達と話し合いをすることができるようにもなります。同時に、様々な理屈がわかる時期とも言われています。「○○だから○○しよう」と理由を添えて相手を説得しようとします。このことから、口ごたえするようになったということは、お子さんが、物事を理論的に考えることができるようになり、表現力も豊かになってきた証拠でもあるのです。口ごたえをしている時のお子さんは、自分の考えや気持ちを一生懸命伝えよう、わかってもらおう、としているのかもしれませんね。
対応についてですが、子どもの成長を感じる一方で、口ごたえする我が子に接することはなかなか大変ですよね。対応としてお勧めしたいのは、子どもの言い分を共感的に聞く場合と、しっかりと教える場合を使い分けることです。例えば、何か約束事をしていても「今やろうと思ってた」など、大人も驚くような口ごたえをしてくることがありますよね。この時のお子さんの気持ちとしては、自分なりの理由があり、わかってほしいと思ってお話しています。そのため、お子さんの言葉を真正面から直そうとせず、「そうだったんだね」と一先ず受け止め、共感的に話を聞くことができると良いと思います。親御さんが聞いてくれていることがわかるとお子さんは安心し次につながります。そして、次のステップとして、約束事を覚えていた点を褒めつつ、お子さんが「じゃあ、やっちゃおう」と思えるような促しをしていきましょう。一方で、他人を傷つけたり、社会のルールに反するような時は、しっかりと教えてあげましょう。そして、この時は真剣に冷静に伝えた方が良いようです。いつも細々と注意すると、お子さんの中での受け止めも同じようになりますが、親御さんがここぞという時に真剣に伝えるようにすると、お子さんも真剣に受け止めてくれるようになります。この時期は、他者にも気持ちがあることや、社会にはルールがあることがわかる時期でもありますので、しっかりと教えてあげることで、これからのお子さんの成長につながっていきます。
アドバイスをいただいたのは…
佐藤 晃子 先生
青森県出身。専門は公衆衛生看護学。看護師・保健師。
現東北福祉大学健康科学部助教、同次世代育成支援室母子保健部、保健師。2児の母。
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