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ネット世代に生まれた息子たち。ネットとの付き合い方やルール作りのコツは?

生まれたときからPCもスマホもネットも身近にある小学4年生の息子とそのお友だちたち。
ゲームは大好きだし、YouTubeもずっと見ているので、依存症にならないか心配です。
子どものネットとの付き合い方とルール作りをどのようにしたらいいのでしょうか。

ネット世代に生まれた息子たち。ネットとの付き合い方やルール作りのコツは?



 お子さんが小学4年生なのですね。ご質問にもあるように、今の子どもたちは生まれたときからパソコンやスマートフォンが身近にあったことから「スマホネイティブ世代」と呼ばれたりします。

 そして、子どもたちのスマートフォンの使い方を見ていると、ある傾向がみえてきます。それは目的に応じて、様々なツールを使い分けているということ、そして、それらを使うことの意味が拡大してきているということです。たとえば、YouTubeは自分好みの動画を選んで見るものですが、それが友だち同士の話題になったりしますね。インスタグラムは、一見、それぞれが撮った写真などを公開し、それを互いに閲覧して楽しむものに見えますが、子どもたちは、メッセージ機能を使ってコミュニケーションをとったりもしています。オンラインゲームになると、誰かとつながりながらゲームを楽しむという意味が加わるようです。このような様子を見ていて感じるのは、子どもたちにとって、これらのツールは、単に何かを楽しむものという意味合いを超えて、誰かとつながる・共有する手段としての意味を持つようになっていたり、場合によっては、その子の「コミュニティ」や「居場所」になっていることもあるということです。

 さて、このようなことを踏まえ、子どもたちが依存症にならないために、大人ができることを考えてみたいと思います。たとえば、食事をしながらゲームするなど、さすがにそれは無いよなという場合はびしっと指摘するとしても、まず言えることは、頭ごなしに禁止したり、規制したり、という対応は、かえって子どもたちの混乱や反発を生むことになる可能性が高いということです。もし話題にできるようであれば、お子さんが楽しんでいる世界について、尋ねてみてもいいですね。お子さんがそこにどっぷりと浸る理由が見えてくるかもしれません。そして、それには共感しつつも、リアルな場で、楽しめたり熱中できたりするもの、居場所になるところを一緒に見つけるということもお勧めです。小学4年生ですと、スポーツや習い事などに関心が向く子どもたちも増えてきますね。リアルな場を充実させる、リアルな場でつながりを増やすことで、バーチャルな場からいきなり引き離すのではなく、適度に距離をとるための環境をつくっていくという発想です。

 また、何か新しいことを始めたいとき、何か目標ができたとき、あるいは何かうまくいかないとき、日常生活に支障が出はじめたときなど、チャンスを見つけて、時間の使い方を一緒に見える化してみるという方法もあります。ゲームやYouTubeが、24時間の中で、あるいは1年間の中でどれほどを占めているかを目で見て、「やばっ!」と驚いてもらいましょう。私は授業の一環で、大学生たちに、自分の一日の時間の使い方を図に書くということをしてもらっています。そうすると、何かに気づくらしく、指示してもいないのに、時間の使い方についての反省文が寄せられたりします。自分で「これはまずい」「こうしよう」と思えると、行動も変わりやすくなります。自分でルールを決めて、そのルールが守れたとき、守れなくなったときのことも決め、大人はそれを応援するというスタイルがとれるといいですね。その際、子どもたちは大人の様子もよく見ています。もし子どもにルールを課そうとするならば、大人も一緒に守ってみませんか。一緒に取り組むと、大人側の生活も何かが変わって、何かいいことが起こるかもしれません。


POINT!
今の子どもたちにとって、ネットは誰かとつながる・共有する手段としての意味だったり、「コミュニティ」や「居場所」になっていることもあります。それも踏まえて、時間の使い方を一緒に見える化することで、行動も変わりやすくなります。


アドバイスをいただいたのは…
下山田 鮎美 先生

山形県出身。専門は公衆衛生看護学。看護師・保健師。
現東北福祉大学健康科学部教授。
2児の母であり、当事者としての視点を大切にしながら子育て支援の活動を行っている。博士(都市科学)。



掲載年月/2024.11

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