ままぱれ

ご褒美作戦で勉強やお手伝いって悪いこと?じゃあ、どうすればいいの?

「勉強したらゲームしていいよ」とか、「〇〇を手伝ってくれたら50円あげる」とか、あっさり言うことを聞いてくれるので、皆さんよくしていると思うのです。
うちも小学3年生の息子にそうしているのですが、こういったご褒美作戦は良くないと聞きました。急に止めても反発されそうだし、どうしたらいいのでしょうか。

ご褒美作戦で勉強やお手伝いって悪いこと?じゃあ、どうすればいいの?



 「ご褒美作戦」には様々な意見がありますが、その方法によっては一概に悪いとも言い切れません。特に相談者さんの場合、お子さんにとても大事なことを教えられる可能性を秘めているようにも見受けられます。

 まず、「勉強をしたらゲームをして良い」というのは、やるべきことを先に済ませる習慣を身につけるためのトレーニングであるとも捉えられます。大人でも、やりたいことを優先しやりたくないことを後回しにしてしまうと、提出期限に間に合わなかった、慌てて準備をして忘れ物をしてしまった等、負の連鎖が生じてしまうことがあります。そのため、小さい頃からやるべきことを先に片付けてから遊ぶ習慣を身につけることは、とても大切です。今はご褒美がきっかけでお子さんの行動が促されているとしても、「勉強をしてからゲーム」という順番を守ることができているのであれば、そのことを当たり前だと思わず、「今日も約束が守れたね」「やらなきゃいけないことを終わらせると気持ちよく遊べるね」などと、できていることをたくさん認めてあげてください。ご褒美だけでなく、相談者さんからもそうしたプラスの言葉がけがあることで、やるべきことをやってから遊ぶことは心地良い、自分にはその力があると思えるようになると、ご褒美に捉われず行動できる力が少しずつ育まれていくでしょう。

 お手伝いに対するお駄賃については、「お駄賃をもらわなくても家のお手伝いをするものだ」という考え方もあるかもしれませんが、大人と同様、労働の対価としてお金を受け取る経験をしているとも受け取れます。大人になると、いい加減な仕事の仕方でもお給料が確約されるとは限りません。そのため、この機会を通して、与えられたことに丁寧に取り組むことの大切さを伝えてみてはいかがでしょうか。例えば、お駄賃を渡す際に、「今日も助かったよ。ありがとう」「すごくピカピカになったね。頑張ったね」等、お子さんを労う言葉や感謝の言葉を添えてみてください。ここでも、お駄賃をあげているから手伝うことが当たり前ではなく、お子さんができたことを認める言葉がけが重要です。こうした積み重ねがきっかけで、自分がしたことが誰かの役に立っていることが実感でき、感謝されることの心地良さが感じられるようになると、自発的にお手伝いをすることに繋がるかもしれません。

 また、得られたお駄賃をどう使うかを話題にすることで、お金のやりくりの仕方を学ぶ機会として活用するのも良いでしょう。例えば、お手伝い(仕事)をしてコツコツ貯めたお金(自分の力)で欲しいものを購入できた喜び、達成感は、将来、お子さんの金銭管理能力に繋がることが期待できます。

 このように、一見、ご褒美によってもたらされているように見える行動も、大人の働きかけ次第で、自発的な意欲からもたらされる行動に変えられる可能性があります。また、その方法次第で、単なるご褒美にとどまらず、その経験をお子さんの成長や将来に繋げられるという長期的な可能性もあります。今はご褒美がきっかけでも、お子さんの頑張り、良い面も認めながら、やる気を育んでみてください。


POINT!
ご褒美によってもたらされているように見える行動も、大人の働きかけ次第で、自発的な意欲からもたらされる行動に変えられる可能性があります。お子さんができたことを認める言葉がけを大切にしてください。


アドバイスをいただいたのは…
高野 亜紀子 先生

青森県出身。専門は子ども学。社会福祉士。
現東北福祉大学総合福祉学部准教授。
2児の母としての経験を生かしながら、子育て支援、保護者支援、保育者養成に関する実践・研究活動を行っている。



掲載年月/2024.12

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