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中学2年の息子が、最近「膝が痛い」と訴えます

バスケットボールをしている中学2年の息子が、最近「膝が痛い」と訴えます。
1年生の時からバスケットボールをしており、このところぐんぐん身長が伸びているので成長痛なのでしょうか?
痛みを和らげる方法や、膝や足首へのサポーターの使い方、運動後のケアの方法を知りたいです。

バスケットボールをしている中学2年の息子が、最近「膝が痛い」と訴えます



 中学2年生のお子さんが「膝が痛い」と訴えているのですね。この年代は、成長速度がとても速く、身長については、平均しても1年間で約10cmも伸びるといわれています。子どもたちの様子を見ていると、自分が大きくなるのは、特に男の子たちにとってはとても嬉しいことのようですし、親としても、その成長の著しさが感慨深い時期ですね。

 さて、たしかにこの時期、特にジャンプやダッシュを繰り返すようなスポーツに取り組んでいる場合は、「膝の痛み」を訴えるお子さんが少なからず見受けられます。「成長痛」は、好発年齢が幼児から小学校低学年、痛みは足全般、タイミングは不定期といわれていますので、この時期の「膝の痛み」とは異なるものと思っていただいたほうがいいですね。この時期の「膝の痛み」ですと、明確な怪我以外にも、「オスグッド病(オスグッド・シュラッター病)」と呼ばれるスポーツ障害があります。この「オスグッド病」は、膝の皿の下部分に痛みや腫れ、熱感が生じたり、その部分の骨が飛び出したように見えたり、という特徴があります。これは、お子さんの成長の特徴と関係しているといわれており、骨の成長のスピードに筋肉や腱の成長が追いつかないこと、それによって、太ももの表側の筋肉(大腿四頭筋)が固くなってしまいやすいこと、そして、負荷が繰り返しかかると膝下部分の軟骨がはがれてしまうこと、などが関係していると考えられています。そのため、ここにあげたような症状が見受けられた場合は、まず整形外科等を受診し、お子さんも交えて膝の状況を理解することが重要となります。おそらく、症状がひどい場合は、トレーニングや試合を休む、強度を下げる、改善すれば復帰するという提案がなされる場合が多いと思います。

 しかし、このような「オスグッド病」の特徴が、この時期のお子さんたちにとって、脅威になることもあるというのが、なかなか難しいところです。たとえば、痛みが強まると、スポーツのパフォーマンスが下がる場合が多く、場合によってはチーム内の居場所を失うのではないかとの恐れを抱くお子さんもいます。一般的には、成長期が終わることで治癒していくと考えられてはいるのですが、子どもたちにとっては「今」が大切である場合も多く、葛藤が生じたり、また、この痛みがいつまで続くのかといった先の見えない不安を抱えたりすることもあります。周囲の大人たちは、子どもたちの成長を共に喜びつつ、併せて、このような子どもたちの心の痛みも想像し、気持ちを受け止めながら、ケアにあたることを心がけていけるといいですね。

 そして、具体的なケアについてですが、悪化を予防するためには、大腿四頭筋の柔軟性を保つことがポイントになるため、その部分を意識したストレッチをすすめられることが多いです。また、全身の筋肉は連動していることから、ふくらはぎの柔軟性を保つことや、全身のバランスや姿勢を上手に整えることを提案される場合もあります。 しかし、セルフケアのみでは、なかなか難しいというのが実感です。最近では、スポーツに理解がある整形外科も見受けられるようになりましたし、実際に「オスグッド病」を念頭においたケアを受けることができる接骨院なども増えています。そのような専門家から心に寄り添った対応をしてもらえると子どもたちはとても安心するようです。 また、身体に触れたり、具体的な方法を教えてもらったりすることで、お子さんにあったセルフケアが見つかり、自分で取り組みやすくなります。さらに、「オスグッド病」専用の膝用サポーターが市販されていますので、それを使用している子どもたちも多いです。中には接骨院等で「オスグッド病」に対応したテーピング方法を教えてもらい、自分でテーピングをして対応できるようになる子どもたちもいます。

 これまで、いくつか提案をする中で「子どもたちも交え」「子どもたち自身で」といった言葉を使わせていただきました。中学生の子どもたちにとって「オスグッド病」による痛みはとても悩ましいものです。しかし、その中でも、専門家等のサポートを受けつつも、自分で自身のケアに参画し、状況に応じて対処していけるようになると、心の痛みの感じ方やスポーツに向かう姿勢も変わっていきます。家族など身近な大人には、それを上手に見守る・ガイドするという役割もあるのかもしれませんね。


POINT!
この時期の膝の痛みは「オスグッド病」の可能性があります。専用の膝用サポーターも市販されていますが、大切な時期に痛みでうまく結果が出せなくなるとお子さんの心の不安にも繋がります。整形外科等の専門家からアドバイスをいただいた方が心身共に安心できるでしょう。


アドバイスをいただいたのは…
下山田 鮎美 先生

山形県出身。専門は公衆衛生看護学。看護師・保健師。現東北福祉大学健康科学部准教授。
2児の母であり、当事者としての視点を大切にしながら子育て支援の活動を行っている。博士(都市科学)。



  

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